『水の葬送』/Dead Water
アン・クリーヴス(Ann Cleeves)/玉木亨・訳
創元推理文庫/本体価格(2015/08/01 19:00時点)1320円/7月21日/ISBN:978-4-488-24509-2
シェトランド島の地方検察官ローナは、小船にのせられ外海へ出ようとしていた死体の発見者となる。被害者は地元出身の若い新聞記者だった。本土から派遣された女性警部がサンディ刑事たちと進める捜査に、病気休暇中のペレス警部も参加し、島特有の人間関係とエネルギー産業問題が絡む難事件に挑む。〈シェトランド四重奏(カルテット)〉を経て著者が到達した、現代英国ミステリの新たな高み。解説=若林踏
『7は秘密 ニューヨーク最初の警官』/Seven for a Secret
リンジー・フェイ(Lyndsay Faye)/野口百合子・訳
創元推理文庫/本体価格(2015/08/01 19:00時点)1460円/7月21日/ISBN:978-4-488-25105-5
1846年の真冬。ニューヨーク市警のティムは、黒人の血が混じった女性ルーシーから助けを求められる。妹と息子が悪辣な逃亡奴隷捕獲人に拉致されたのだ。彼女たちを助け出し兄の家に匿ったが、翌々日の朝、その家でルーシーの死体を発見する。唯一の肉親である兄に嫌疑がかかることを恐れたティムは死体を移動させ、犯人を追う。ニューヨーク市初の警官となった青年の奮闘を活写した警察小説! 解説=酒井貞道
『銃を読み解く23講 見る、読む、訳すGUNの世界』/Twenty-Three Stories to Gain Insights Into Guns
小林宏明(KOBAYASHI HIROAKI)
東京創元社(単行本)/本体価格(2015/08/01 19:00時点)1500円/7月21日/ISBN:978-4-488-01541-1
月村了衛氏推薦——「〈心のガンマン〉&〈心の名探偵〉必読の書。全著作をいつも参考にさせて頂いている小林さんが、ミステリと銃に関するとびきりのエッセイを書かれた。今宵は脳内西部か脳内暗黒街のバーでグラスを傾けながら至福の読書としゃれ込もう」
銃について集めた知識の一端を、やさしく、おもしろく、かつためになるように書いてみようと思う——
近年起きた銃にまつわる事件から、小説・映画・コミック、そして海外ドラマまで、幅広い事例を参照しつつ「正しい銃知識」が身につけられる。
名翻訳家にして銃研究家が案内する、すばらしき「GUN」の世界——「ミステリーズ!」連載に大幅増補を加えた、読書家・創作者のためのやさしい銃講座。
『声』/Roddin
アーナルデュル・インドリダソン(Arnaldur Indrioason)/柳沢由実子・訳
東京創元社(単行本)/本体価格(2015/08/01 19:00時点)1900円/7月29日/ISBN:978-4-488-01047-8
サンタクロースの扮装でめった刺しにされた男。一人の男の栄光、悲劇、転落、そして死。世界でシリーズ累計1000万部突破。世界を驚愕させた『湿地』『緑衣の女』に続く第3弾。訳者あとがき=柳沢由実子
『海辺の幽霊ゲストハウス』/Night of the Living Deed
E・J・コッパーマン(E. J. Copperman)/藤井美佐子・訳
創元推理文庫/本体価格(2015/08/01 19:00時点)1260円/7月29日/ISBN:978-4-488-25903-7
ニュージャージーの海辺に建つ古い屋敷をリフォームしてゲストハウスにし、9歳の娘メリッサと新生活を始めようとしていたシングルマザーのアリソン。だがひょんなことから、屋敷に取り憑いている前オーナーと私立探偵の幽霊が見えるようになってしまう。彼らから、自分たちの死についての調査を手伝ってほしいと頼まれたのだが……。明るく楽しいコージーミステリ・シリーズ! 訳者あとがき=藤井美佐子
『新車のなかの女【新訳版】』/La Dame dans l’auto avec des lunettes et un fusil
セバスチアン・ジャプリゾ(Sebastien Japrisot)/平岡敦・訳
創元推理文庫/本体価格(2015/08/01 19:00時点)1120円/7月29日/ISBN:978-4-488-14207-0
雇い主の車を乗り回し南仏を目ざした女が巻き込まれた事件。なぜ初めての地で誰もが彼女を知っているのか? そして発見された謎の死体……。鬼才ジャプリゾの傑作を新訳で。訳者あとがき=平岡敦/解説=連城三紀彦
『ユダの窓』/The Judas Window
カーター・ディクスン(Carter Dickson)/高沢治・訳
創元推理文庫/本体価格(2015/08/01 19:00時点)980円/7月29日/ISBN:978-4-488-11838-9
一月四日の夕刻、ジェームズ・アンズウェルは結婚の許しを乞うため恋人メアリの父親エイヴォリー・ヒュームを訪ね、書斎に通された。話の途中で気を失ったアンズウェルが目を覚ましたとき、密室内にいたのは胸に矢を突き立てられて事切れたヒュームと自分だけだった——。殺人の被疑者となったアンズウェルは中央刑事裁判所で裁かれることとなり、ヘンリ・メリヴェール卿が弁護に当たる。被告人の立場は圧倒的に不利、十数年ぶりの法廷に立つH・M卿に勝算はあるのか。法廷ものとして謎解きとして、間然するところのない本格ミステリの絶品。
ジョン・ディクスン・カーの魅力=瀬戸川猛資、鏡明、北村薫、斎藤嘉久、戸川安宣(司会)/本座談会と『ユダの窓』について=戸川安宣
『ねじまき男と機械の心』上下/The Curious Case of the Clockwork-Man
マーク・ホダー(Mark Hodder)/金子司・訳
創元海外SF叢書(単行本)/本体価格(2015/08/01 19:00時点)各1900円/7月29日/ISBN:(上)978-4-488-01456-8(下)978-4-488-01457-5
蒸気馬車や羽ばたき飛行機だけでなく、巨大改変生物に蒸気機関を搭載した多脚機械まで現れ、ますます本来の歴史から逸脱してゆく1862年の大英帝国。深夜の帝都に現れた機械人間の騒ぎの陰で盗まれた黒ダイヤ〈ナーガの目〉——世界中に伝承が散らばるこの宝石は、天才科学者バベッジが求める特異な力を秘めていた。その力は、歴史を歪めたかの怪人「バネ足ジャック」とも関わるという……傑作スチームパンク×時間SF! 解説=北原尚彦