『カールの降誕祭(クリスマス)』/Carl Tohrbergs Weihnachten

フェルディナント・フォン・シーラッハ(Ferdinand von Schirach)/酒寄進一・訳

単行本/本体1500円/11月12日/ISBN:978-4-488-01050-8

本屋大賞翻訳小説部門第1位『犯罪』のシーラッハによる珠玉の3編と、気鋭の版画家タダジュンによる謎めいたイラスト。ふたりの天才が贈るブラックなクリスマス・プレゼント。訳者あとがき=酒寄進一

【収録作品】

「パン屋の主人」

「ザイボルト」

「カールの降誕祭(クリスマス)」

『殺人者たちの王』/Game

バリー・ライガ(Barry Lyga)/満園真木・訳

創元推理文庫/本体1200円/11月12日/ISBN:978-4-488-20804-2

ものまね師事件が解決して二カ月、ジャズのもとをニューヨーク市警の刑事が訪れた。21世紀最悪の連続殺人犯である父ビリーに施された殺人者としての英才教育を生かして、ニューヨークで起きている連続殺人の捜査を手伝って欲しいというのだ。渋々同行するジャズ。だが事件を調べるうちに、ものまね師事件との繋がりに気づく。そして被害者の遺体に書かれた〈ゲームへようこそ、ジャスパー〉のメッセージ。大好評のシリーズ第二弾! 解説=穂井田直美

『不思議なキジのサンドウィッチ』/The Dead in Their Vaulted Arches

アラン・ブラッドリー(Alan Bradley)/古賀弥生・訳

創元推理文庫/本体1300円/11月21日/ISBN:978-4-488-13607-9

父の衝撃の発表から一週間あまり。とうとうあの人が載った列車が、バックショー仮駅に到着した。みんなで列車を出迎えている折、フレーヴィアは見知らぬ男から父への謎めいた伝言を頼まれる。しかしその直後、男は誰かに押され、列車に轢かれて死んでしまった……。徐々に明らかになる謎めいた言葉の意味、ド・ルース家の秘密。大人気のフレーヴィア・シリーズ、大団円の第六弾。解説=穂井田直美

『消えた修道士』上下/The Monk Who Vanished

ピーター・トレメイン(Peter Tremayne)/甲斐萬里江・訳

創元推理文庫/本体各1060円/11月21日/ISBN:(上)978-4-488-21820-1(下)978-4-488-21821-8

敵対していた小国の族長がモアン王国を訪れたそのとき、族長とモアン国王を何者かの矢が襲った。どちらも命に別状はなかったが、襲撃がモアン側の陰謀だという相手の主張に、両国は一色触発の危機に陥る。国王は自国の潔白の証明を、妹であり、法廷弁護士、裁判官の資格をもつ修道女フィデルマに託した。だが襲撃者は既に殺され、フィデルマはわずかな証拠をたよりに襲撃に使われた矢の出所と思われる村に向かう。好評シリーズ第七弾。解説=若林踏

『火打箱』/Tinder Box

サリー・ガードナー(Sally Gardner)/デイヴィッド・ロバーツ(David Roberts)絵/山田順子・訳

単行本/本体2400円/11月28日/ISBN:978-4-488-01052-2

「きさまは恋に落ち、自分の王国を手に入れる」皇帝軍の兵士だったとき、おれは死神を見た。死神の手を逃れ、森の中で出会ったのはサファイアーという名の少女。おれたちは恋に落ち、そして……。元兵士の若者オットーが深い森で出会う男装の美少女、狼の怪物、城に住む恐ろしい魔女。文豪アンデルセン最初期の作品に、カーネギー賞受賞作家サリー・ガードナーが新たな息吹を吹き込む。不思議と怪奇が詰まった美しくも不気味な物語。

『12人の蒐集家/ティーショップ』/Twelve Collections and The Teashopand Other Stories

ゾラン・ジヴコヴィッチ(Zoran Zivkovic)/山田順子・訳

単行本/本体1600円/11月28日/ISBN:978-4-488-01659-3

「当店には各種、極上のケーキがそろっております」紫一色に染められたケーキショップの、八ページにわたるメニューに並ぶのは〈よろけヴァイオリン〉〈惚れ睡蓮(すいれん)〉そして〈陽気な骸(むくろ)〉……。パティシエがコレクションする“あるもの”と引き換えに、メニューにはない特製ケーキを頼んだ男の運命は?

連作「12人の蒐集家」と中編「ティーショップ」を収めた東欧の鬼才ジヴコヴィッチによる、愛らしくも不気味な世界。摩訶不思議なファンタスチカの世界へ、ようこそ。訳者あとがき=山田順子

【収録作品】

「12人の蒐集家」日々/爪/サイン/写真/夢/ことば/小説/切り抜き/死/Eメール/希望/コレクションズ

「ティーショップ」

『ハザール事典』男性版・女性版/Hazarski recnik

ミロラド・パヴィチ(Milorad Pavic)/工藤幸雄・訳

創元ライブラリ(文庫本)/本体各1500円/11月28日/ISBN:(男)978-4-488-07075-5(女)978-4-488-07076-2

歴史上から姿を消した謎の民族ハザールに関する事典の形をとった前代未聞の物語集。キリスト教、イスラーム教、ユダヤ教の交錯する45項目は、通して読むもよし、関連項目の拾い読みもよし、たまたま開いた項目を一つ読むもよし、読者の意のまま。男女両版の違いはわずか10行。どちらの版を選ばれますか? 解説=沼野充義

『髑髏城【新訳版】』/Castle Skull

ジョン・ディクスン・カー(John Dickson Carr)/和爾桃子・訳

創元推理文庫/本体800円/11月28日/ISBN:978-4-488-11839-6

ドイツ・ライン河畔に聳える奇城“髑髏城”。城の持ち主であった稀代の魔術師マリーガーが、走行中の列車内から身を投げてから十七年が経った。そして今、城を継いだ男が火だるまになって胸壁から転落、凄絶な最期を迎える。魔術師の遺産を共同相続していた富豪から依頼を受けて、予審判事アンリ・バンコランは死の影が漂う城へと捜査に赴く。そこで彼は、ベルリン警察の主任捜査官にして好敵手フォン・アルンハイム男爵と邂逅を果たす——。古城を舞台に火花を散らす仏独二大名探偵の推理、新訳決定版。解説=青崎有吾