『霜の降りる前に』上下/Innan Frosten

ヘニング・マンケル(Henning Mankell)/柳沢由実子・訳

創元推理文庫/本体各1100円/1月21日/ISBN:(上)978-4-488-20916-2(下)978-4-488-20917-9

リンダ・ヴァランダー、まもなく三十歳。警察学校を修了してイースタ署に赴任することが決まり、この夏は父クルトのアパートに同居している。久しぶりの故郷で、旧友との付き合いも復活。だが、その友人のひとりアンナが行方不明に。アンナになにが? 心配のあまり、まだ警察官になっていないからと諫める父の制止を無視して、勝手に調べ始めるリンダ。スウェーデンミステリの巨匠マンケルの人気シリーズ最新刊。訳者あとがき=柳沢由実子

『オータム・タイガー【新版】』/Autumn Tiger

ボブ・ラングレー(Bob Langley)/東江一紀・訳

創元推理文庫/本体1120円/1月21日/ISBN:978-4-488-23705-9

CIA退官を目前に控えたタリーは、その話を聞いた瞬間、耳を疑った。亡命を希望している東ドイツ諜報機関の大物が、自分を身柄を預ける際の要員に指名してきたというのだ。受け入れに赴いたパリで、その大物から示された古ぼけたライターが、あの第二次世界大戦末期の極秘作戦の記憶を呼び覚ます……。傑作『北壁の死闘』と並び称される第一級のスパイ小説! 解説=田口俊樹

『月の山脈と世界の終わり』上下/Expedition to the Mountains of the Moon

マーク・ホダー(Mark Hodder)/金子司・訳

創元海外SF叢書(単行本)/本体価格(2016/01/29 08:06時点)各2000円/1月29日/ISBN:(上)978-4-488-01458-2(下)978-4-488-01459-9

1863年、バートンは時間と精神を操る力を持つ伝説の黒ダイヤを独占せよとの密命を受け、新鋭飛行船で〈月の山脈〉探索に向かう。一方1914年、世界終末戦争の戦場で目覚めた記憶喪失の男は、従軍記者H・G・ウェルズとともに、ドイツ軍の異形の動植物兵器が徘徊する最前線をさまよう。二つの時間線の関係は? 人類の滅亡は防げるのか? 最悪の時空パラドックスの真相は? ディック賞受賞の時間SF三部作完結編! 解説=渡邊利道

『黄昏の彼女たち』上下/The Paying Guests

サラ・ウォーターズ(Sarah Waters)/中村有希・訳

創元推理文庫/本体各1240円/1月29日/ISBN:(上)978-4-488-25409-4(下)978-4-488-25410-0

1922年、ロンドン近郊。戦争とその後の混乱で兄弟と父を喪い、広い屋敷に母とふたりで暮らすフランシスは生計のため下宿人を置くことにする。募集に応じたのはレナードとリリアンのバーバー夫妻だった。ふとしたきっかけから、フランシスは自分よりも年下のリリアンとの交流を深めていくのだが……。禁断の恋と殺人を描く、ウォーターズの最新傑作ミステリ。解説=大矢博子