『ミステリーズ!』vol.76 APRIL 2016

東京創元社(雑誌)/本体価格(2016/06/04 17:08時点)1200円/4月12日/ISBN:978-4-488-03076-6

【特別企画】

[追悼 ウンベルト・エーコ]橋本勝雄 井垣真理

【ブックエッセイ】

木村二郎 私はこれが訳したい Hammett Unwritten Owen Fitzstephen

【評論】

川出正樹 ミステリ・ライブラリ・インヴェスティゲーション 第二十七回

『ささやかで大きな嘘』上下/Big Little Lies

リアーン・モリアーティ(Liane Moriarty)/和爾桃子・訳

創元推理文庫/本体価格(2016/06/04 17:08時点)各1100円/4月21日/ISBN:(上)978-4-488-29704-6(下)978-4-488-29705-3

最初は子供同士のトラブルだった。海辺の公立幼稚園、その夜のパーティに子供たちの歌声はなく、聞こえるのは罵り言葉と保護者の乱闘の音。そして保護者の一人が死亡した。事故か殺人か? ……事の起こりは六カ月前、シングルマザーのジェーンの息子にいじめの嫌疑がかかった。本人は否定するが、保護者は険悪な雰囲気に。ジェーンは二人の友人とともに事態に立ち向かう。31カ国で翻訳、英米で150万部突破の傑作ミステリ登場。訳者あとがき=和爾桃子

『パンドラの少女』/The Girl with All the Gifts

M・R・ケアリー(M. R. Carey)/茂木健・訳

東京創元社(単行本)/本体価格(2016/06/04 17:08時点)2000円/4月21日/ISBN:978-4-488-01054-6

奇病の爆発的な蔓延〈大崩壊〉から二十年。人間としての精神を失い、捕食本能に支配された〈餓えた奴ら〉により、文明世界は完全に崩壊していた。荒廃したイギリスの街で発見された、奇跡の少女メラニー。持たないはずのものをもつ健気な彼女は、この世界の救世主ではないのか? ロンドンの北の軍事基地で、メラニーと、同じような特徴をもつ子供たちへの教育・研究が進められるなか、緊急事態が勃発。メラニー、彼女が大好きな教師、科学者、兵士ふたりの極限の逃避行がはじまる。一気読み必至、圧巻のエンターテインメント長編! 訳者あとがき=茂木健

『猫が死体を連れてきた【新版】』/Something the Cat Dragged In

シャーロット・マクラウド(Charlotte MaCleod)/高田惠子・訳

創元推理文庫/本体価格(2016/06/04 17:08時点)1000円/4月28日/ISBN:978-4-488-24632-7

秋を迎えたバラクラヴァの町で、新たな騒動の始まりを告げたのは、シャンディ教授の家政婦ローマックス夫人の飼い猫がくわえてきたかつらだった。かつらの主アングレー名誉教授をさがしに出た夫人は、博物館の裏手で彼の死体を発見する。一見事故のようにも思われたが、夫人の要請で駆けつけたシャンディが少し調べただけで、おかしな点が次々に見つかり……。好評シリーズ第四弾。解説=澤木喬

『古城ゲーム』/Saeculum

ウルズラ・ポツナンスキ(Ursula Poznanski)/酒寄進一・訳

創元推理文庫/本体価格(2016/06/04 17:08時点)1300円/4月28日/ISBN:978-4-488-28904-1

医学生のバスチアンは、騎士や魔女になりきり14世紀の暮らしを疑似体験するゲームに参加するため、深い森に到着した。そこでは懐中電灯や消毒薬などゲームの時代になかった物の持ち込みが禁止されている。だが参加者が次々に謎の失踪を遂げ、主催者の携帯電話も紛失し外部と通信不能に。さらに閉じこめられた洞(ほら)で大量の白骨死体を発見。想定外の出来事が彼らの心を蝕(むしば)んでいく。訳者あとがき=酒寄進一