スウェーデンの片田舎に生まれた少年が、なぜかフランコや金日成など、歴史を動かした重要人物と出会い、世界の運命を左右するような出来事に関わっていく。
それがヨナス・ヨナソンの小説家デビュー作『窓から抜け出した100歳老人』でした。今は介護施設で暮らしている主人公のアランは、管理されて生きることにうんざりし、自分の100歳誕生日祝いを目前に窓から抜け出し、放浪の旅に出ます。その行く先々で自由すぎるアランは人に迷惑をかけ、ついにはとんでもない事態に、というのが『窓から抜け出した100歳老人』のあらすじでした。犯罪コメディであると同時に、第二次世界大戦前後の国際情勢を裏から描き直した歴史改変小説でもあります。
この類例を見ない作品を、有志で読もうという企画が持ち上がっております。場所はスウェーデン大使館。昨年、スティーグ・ラーソンの〈ミレニアム三部作〉で同様の読書会が行われましたが、今回が二回目ということになります。
参加方法は以下の通り。
スウェーデン大使館読書会(司会:杉江松恋)
日時:2019年10月15日(火)18 時30 分開始 18時受付開始
会場:スウェーデン大使館
課題作:『窓から逃げた100歳老人』(西村書店)
会費:無料
受付:event@nishimurashoten.co.jp にて。お申込みにあたっては、大使館に名簿を提出する必要がありますので、ご本名と緊急連絡先の電話番号を明記ください。
また、作者のヨナス・ヨナソンが11月に来日することが発表されています。11月1日(金)に新宿・紀伊國屋書店本店にて明治大学国際日本学部教授の鈴木賢治氏との対談が予定されております。こちらも現在申し込み受付中ですので、よかったらどうぞ。
『窓から逃げた100歳老人』&『世界を救う100歳老人』(西村書店) 著者ヨナス・ヨナソン氏 来日記念 トークイベント
日 時|2019年11月1日(金) 19:00開演 18:45開場
会 場|紀伊國屋書店新宿本店9階イベントスペース
参加料|◆500円
受 付|◆10月1日(火)午前10時より電話にて(先着50名)
さらにさらに、今回のヨナソン来日は、毎秋開催されます「ヨーロッパ文芸フェスティバル2019」のオープニングトークのゲストを務めるためなのでした。こちらの詳細は以下の通りです。
ヨナス・ヨナソン講演会「ヨーロッパの外へ、そして内へ」(聞き手:杉江松恋)
日時:11月2日(土)11時30分~12時30分
場所:インスティトゥト・セルバンテス東京(千代田区六番町2-9)
※スウェーデン大使館ではないのでご注意ください。
参加料:無料
受付:リンク先の末尾に諸問い合わせ先がありますので、そちらからどうぞ。要予約です。
ヨナソン以外にも多数の作家が来日します。モーテン・デュアー(デンマーク。『ゼノビア』)、バーバラ・ストック(オランダ。『ゴッホ、最後の3年』)、トーマス・ブルスィヒ(ドイツ。『太陽通り』)、パヴェル・ブリッチ(チェコ。『夜な夜な天使は舞い降りる』)、ヘレナ・ヤネチェク(イタリア)、ヴァルテル・ウーゴ・マイン(ポルトガル)、ヨハン・ローレンス(ベルギー)、シモナス・ストレルツァヴォス(リトアニア。歴史家)、サラ・ボーム(アイルランド。『きみがぼくを見つける』)、メンチュウ・グティエレス(スペイン)、ミーア・カーンマキ(フィンランド)、トーマス・シュタングル(オーストリア)読書の秋にふさわしいイベント。11/2~4のヨーロッパ文芸フェスティバルも存分に楽しんでください。