2010年3月20日、東京都文京区の鳳明館森川別館において、第1回翻訳ミステリー大賞贈賞式が開催されました。最終候補作、ならびに投票結果は以下の通りです。

『犬の力』ドン・ウィンズロウ/東江一紀訳 得票数33

『ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女』スティーグ・ラーソン/ヘレンハルメ美穂・岩澤正俊訳 得票数13

『ミレニアム2  火と戯れる女』スティーグ・ラーソン/ヘレンハルメ美穂・山田美明訳 得票数6

『川は静かに流れ』ジョン・ハート/東野さやか訳 得票数6

『グラーグ57』トム・ロブ・スミス/田口俊樹訳 得票数4

 総投票数62

 過半数を超える支持を集め、『犬の力』が栄えある第1回翻訳ミステリー大賞を獲得しました。贈賞式では発起人代表・小鷹信光氏より翻訳者の東江一紀氏に正賞・楯と副賞・図書カード5万円分、ゲストのミステリー作家・逢坂剛氏より原作者ドン・ウィンズロウ氏(角川書店・菅原哲也氏が代理)に同じく正賞・楯が贈られました。

 会場には100人を超えるミステリーファン、翻訳者の皆様が詰めかけ、受賞者に惜しみない拍手を送ってくださいました。その模様や、東江一紀氏の受賞コメントは、「ハヤカワ・ミステリ・マガジン」6月号に掲載される予定です。また当シンジケートでは、近日中に東江一紀氏による「初心者のためのドン・ウィンズロウ入門講座」を掲載いたします。併せてお楽しみください。

 なお当日は、贈賞式記念として逢坂氏と小鷹氏による対談、発起人田口俊樹氏、白石朗氏、越前敏弥氏による鼎談など、さまざまな企画が催されました。その模様についても「ハヤカワ・ミステリ・マガジン」で紹介されます(当日出席していただいた方のレポートも募集します。どうぞご一報ください)。

 翻訳ミステリー冬の時代とは言われますが、それが嘘に思われるほどの、熱気に満ちたイベントとなりました。発起人・事務局一同心よりファンの皆様のご厚意に心より感謝しております。本当にありがとうございます。2011年の第2回翻訳ミステリー大賞もどうか宜しくお願い申し上げます。

 翻訳ミステリー大賞シンジケート管理人兼編集人 杉江松恋

追記:参加者の方がレポートを書いてくださいました。ありがとうございます。(3/22)

ウィスキーとミステリー