先週から六本木の青山ブックセンター(ABC)で、「三人による選書フェア」という催しが開かれています。

翻訳家の鴻巣友季子さん、作家の堀江敏幸さん、それに私の三人がそれぞれ選んだ三十点、合計九十点のフェアです。

私は新旧取り混ぜて、翻訳ミステリーを中心に翻訳ものだけを選びました。

以下のとおりです。

ご関心の向きは六本木〈ABC〉まで足をお運びいただければ幸いです。

どうぞよろしく。

田口俊樹

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田口俊樹による選書30冊

1 『ミレニアム2 火と戯れる女』 とにもかくにもヒロイン、リスペットにしびれました。

2 『犬の力』 ただただ物語のスケールの大きさに感嘆喫驚。

3 『郵便配達はいつも二度ベルを鳴らす』 堕ちていく男と女の切実さが悲しいクライム・ノヴェル。

4 『幻の女』 サスペンスに富むほろ苦い友情物語。

5 『夢果つる街』 愛があれば歳の差なんて……でも、切ない切ない名作です。

6 『法律事務所』 グリシャムの名を世界に知らしめた弁護士ものの傑作。

7 『ロング・グッドバイ』 探偵、フィリップ・マーロウの渋さ炸裂。

8 『マルタの鷹』 探偵、サム・スペードのかっこよさ爆発。

9 『A型の女』 探偵、アルバート・サムスンの心やさしさ爆裂

10『さらば甘き口づけ』 味わいは純文学の淡い叙情が美しい名作。

11『ミスティックリバー』 後味にいささか難ありながら、読ませます。映画もよかった。

12『さむけ』 ほんとうに最後は寒気がする探偵リュー・アーチャー・シリーズの傑作。

13『警官嫌い』 長寿『87分署』シリーズの記念すべき第一作。

14『わが名はレッド』 暴力的でどこかとぼけた味わいが読みどころのノワール。

15『死の接吻』 倒叙ミステリでありながら、犯人探しも愉しめる名作。

16『クリスマスのフロスト』 フロスト警部の愛すべきキャラが読みどころのページターナー。

17『ポップ1280』 小説の中身以上に小説の結構の猥雑さが魅力のクライム・ノヴェル。

18『クリスマス・プレゼント』 買って損のない粒ぞろいでツイスト満載の短篇集。

19『羊たちの沈黙』 レクター教授の圧倒的存在感とクラリス捜査官のさわやかさの対比が見事。

20『血と暴力の国』 純文学作家の書いた暴力的、そして知的ハードボイルド。

21『古書の来歴』 ミステリーではないけれど、今年刊行で読んだ中のヒット作。

22『死の蔵書』 本格とハードボイルドの見事な合体小説。

23『ロシアから愛をこめて』 やっぱりジェームズ・ボンドはエロカッコいい。

24『緋色の記憶』 文学的抒情豊かなサスペンス。

25『時の娘』 安楽椅子探偵(ベッド・ディテクティヴ)ものの不朽の名作。

26『チャイナタウン』(探偵リディアがなんとも可愛く初々しいシリーズ第一作)

27『シャーロック・ホームズの冒険』やっぱり一度は読んでみてください。

28『そして誰もいなくなった』 わくわくどきどき驚愕の結末。嘘ではありません。

29『あなたに似た人』 “毒”のさじ加減が絶妙の短篇集。

30『特別料理』 奇妙な味に舌鼓を打ってうなってしびれてください。