みなさん、こんにちは。翻訳ミステリー大賞事務局の杉江松恋です。

 本日は来月開催されます「第三回翻訳ミステリー大賞」授賞式記念コンベンションにおいて実施を予定しています、「ミステリー読書地図」についてご案内しちゃおうと思います。

 それって何? という方はちょっと下の画像をご覧ください。

       (クリックすると拡大します)

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 とても簡単に言うと、これは紙とペンを使って遊ぶ連想ゲームです(もともとは書評家の豊崎由美さんに教えていただいたもので、豊崎さんは「本の星座」と呼んでおられました)。

 やりかたはとても簡単。

 最初に一人が作品名を書きます。上の実施例で言うと、最初は映画「ランボー」だったのかな?

 次の人はその題名から連想した作品を書き、二つを線でつないで「どうつながっているのか」の説明を書きこみます。「ランボー」の左に『真夜中に捨てられる靴』がありますね。〈原作者〉とあるのは『真夜中に捨てられる靴』の作者が、「ランボー」の原作『一人だけの軍隊』のデイヴィッド・マレルだったからです(ちなみに『真夜中に捨てられる靴』はこの十年間に翻訳された中でも十指に入る傑作短篇集だと思います)。

 その次の人は「ランボー」から始めても、『真夜中に捨てられる靴』からでも、どちらでもかまいません。上の例でいくと、『真夜中に捨てられる靴』からドン・ウィンズロウ『犬の力』に線が延びているのは〈中南米〉つながり。『真夜中に捨てられる靴』の中にそうした場所を舞台にした作品があるのです。「ランボー」からはコナン・ドイル『緋色の研究』に線が延びていて〈アフガニスタンから来た男〉とあるのは説明不要ですね。これは厳密には間違いで、「ランボー」ではなくて「ランボー3」が「怒りのアフガン」で、しかも〈アフガニスタンに行った男〉なのですが、まあ、そんなに細かいことはいいっこなしなのです。即興で書いて、みんなで本に関する知識を共有するのが目的なのですから。

 コンベンションでは最初にこのゲームを実施して、参加者同士で自己紹介代わりに本の知識を教えあってみてはどうかな、って思っています。

 また、これは紙とペンさえあればいつでもどこでも遊べるゲームなので、時間が空いたときなどにぜひ試してみてください。どうやってやるの? とか、もっと細かくやりかたを教えて? とかご要望があったら、コメントを頂戴できたら、お答えしようと思います。

 ではでは。コンベンションの告知は間もなくです。どうぞご期待ください。