みなさんこんにちは! 6月18日に開催と相成りました第3回東東京読書会のレポートをお届けします。

 第3回の課題本はジャック・ヒギンズ『鷲は舞い降りた』。刊行当時から世の男たちの胸を熱くときめかせてきたであろう、冒険小説の傑作中の傑作です。というわけで、今回は男性の参加者が多いかな〜、と思っていたら、意外や意外。ほぼ女性! という結果でした。ううむ、意外ではありましたが、ディスカッションは超盛り上がりました!

 今回は10名ほどのグループをふたつつくり、休憩を挟みつつひたすらしゃべりたおす、という形式にしました。途中、参加者の方からのおいしいお土産をほおばりつつ、おしゃべりは止まりません。読書会というと「何か鋭い意見とか言わなくちゃいけないのかしら……」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、まったくそんなことはありません! 東東京読書会は読書会が初めてという方にも楽しんでもらおうという傾向の会なので、基本的には和気あいあいとしたおしゃべりです。

 話題はいろいろあって楽しかったですね。やっぱりずっと気になっていた「あなたはデヴリン派? それともシュタイナ派?」という質問ができたのがよかったです。参加者のみなさん、各々熱い想いを語っていただきましたが、案外「ラードルが好き!」という声もありました。「中間管理職的な悲哀を感じて、そこがいい」「自分が弱っている状況でも常に家族のことを考えているのがすてき」などなど。他のキャラクターではジョウアナ・グレイの人気がすごい! うんうん、このひとはほんとにかっこいいスパイですからねぇ。

 あとは「印象に残ったシーンは?」という質問についても、おもしろい回答を聞くことができました。この作品は名シーンが目白押しですし、かっこいい台詞もたくさんあるので、ここがよかった、あそこがよかった、という意見がたくさん出てうれしかったです。そうそう、好きな台詞についての話題も盛り上がりましたね。キャラクターひとりひとりにキメ台詞がある感じですし、挙げていったらきりがないですわ。え、私はどの台詞が好きかって? そりゃあ……(長くなるので割愛)。

 おもしろかったのが、参加者の方がそれぞれ持ち寄った『鷲は舞い降りた』の版が違うこと。この作品は単行本から文庫になって、その後加筆された“完全版”の単行本が出て文庫になって、さらにハヤカワ文庫トールサイズ化にともなうあたらしい版が出ているんですね。読書会では、版が違うとページも違うので、引用箇所や台詞があるページを探すのが難しいという弊害がありました(笑)。でも、「完全版じゃないほうがいい!」というご意見があって、いろいろ鋭い考察をうかがうことができました。私は完全版しか読んでいないので、なかなか新鮮でした。気になる方は比べてみると楽しいかもしれません。こういうのはずっと読み継がれている名作ならではですね。

 もうひとつのグループではデヴリン、シュタイナ、ジョウアナのほかに、ノイマンが好き! という方もいらしたようです。その他、「ナチスと連合軍のふたつの視点があるのがよかった」という意見がありました。参加者さんの見解によると、ヒギンズがこれを執筆した1975年はベトナム戦争、ウォーターゲート事件などの影響で国家への不信が生まれ、ドイツ人を良く書ける時期になっていたそうです。なるほど〜。とはいえこの視点の切り替えも諸刃の剣で、「パラグラフ/エピソードごとに視点が変わってついていくのが大変」という方も。でも全体的にキャラが立っていておもしろかった! という感想が大半でした。この課題にしてよかったと一安心でした。

 というわけで、遠方からご参加くださった方もいて、とっても楽しい読書会でした! 残念なことに特別割引の該当者はいらっしゃいませんでした。“猛禽類を飼っている/飼っていた方、もしくは、スカイダイビング経験者”ってちょっとハードルが高かったですかね。“文鳥も可”とかだったら大丈夫だったかもしれません。ちょっと反省。

 さーて次回の課題本は?? 告知を期待してお待ちくださいませ〜。

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