『ゴーストマン 時限紙幣』/Ghostman 

  ロジャー・ホッブズ/田口俊樹訳

 ISBN 9784163901077

 文藝春秋 定価(本体1800円+税)

 世界を熱狂させた25歳の天才、デビュー。

 21世紀ミステリ界に、颯爽たるヒーローがついに登場した。

 イギリス推理作家協会賞受賞作。

 犯罪の痕跡を消し、犯人の足取りを消し、自分自身も消す。

 それが私の仕事だ。ひとは私を“ゴーストマン”と呼ぶ。

 48時間後、120万ドルの紙幣に仕掛けられた爆薬が炸裂する。盗んだやつらはそれを知らず、強盗の現場から姿を消した。犯人を見つけ、爆発する前にカネを奪還してほしい。裏社会の大物マーカスからの依頼はそれだった。

 問題は爆薬だけではない。強盗犯がアトランティックシティで強奪したのは連邦準備銀行の新札——盗んだ者は全米の法執行機関に追われることになる危険なカネだ。おまけに冷酷で鳴る地元の麻薬密売業者ウルフも事態を察知して動きはじめていた。つまり私はFBIや警察に加え、地元の犯罪組織まで向こうに回さねばならない。

 面倒な仕事だ。だが私はマーカスに借りがあった。5年前、クアラルンプール。マーカスが立案した大強盗計画。それが失敗に終わったのは私の責任だったのだ。あのとき、金庫破りに逃走用ドライバー、私ともうひとりのゴーストマンら、犯罪のプロが集められ、マーカスのプランに沿って、高層ビル最上階に位置する銀行を襲って大金を強奪するはずだった……

 アトランティックシティでの人狩り。5年前のマレーシアでの強盗作戦。ふたつの物語はどう決着するのか? イギリス推理作家協会(CWA)イアン・フレミング賞受賞、CWA新人賞候補、フィナンシャル・タイムズ紙ベスト・ミステリ、サンデー・タイムズ紙ベスト・スリラー、ガーディアン紙ベスト・クライム・スリラー、アメリカ探偵作家クラブ最優秀新人賞候補、アンソニー賞最優秀新人賞候補など、英米ミステリ界を沸かせた傑作クライム・スリラー。

(文藝春秋翻訳出版部N)

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