きのうの前編に引き続き、本日も「熱いおすすめコメント」をご紹介します。

 作品は得票数順、投票者のお名前は投票メール到着順(敬称略)です。お名前のうしろの書名は投票時にご記入いただいた投票者ご本人の代表訳書です。コメントなしで投票した方は、お名前と代表訳書のみ挙げさせていただきました。

 また、受賞作と最終候補作がとりあげられた「書評七福神今月の一冊」の該当月のリンクも添えました。えりすぐりの5作品を七福神はどんなふうに読んだのか。ぜひリンク先もお読みください。

 

候補作『ヒロシマ・ボーイ』平原直美/芹澤恵(小学館)

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矢能千秋(『きみがまだ知らないティラノサウルス』)

小林さゆり(『ニューヨーク文化百科事典』):コージーミステリの温かさに包まれたハードボイルドなテイストが胸に迫るすばらしい作品。主人公マス・アライの内に秘めた苦悩や諦念に心をゆさぶられつつ、くすっと笑える描写がちりばめられていて、そのバランスが秀逸です。

熊井ひろ美(『ゴーストランド 幽霊のいるアメリカ史』)

上條ひろみ(『見知らぬ人』):帰米二世でヒロシマ・ボーイでもあるマス・アライのアイデンティティが物語と密接に結びついた、深い作品だと思います。さまざまな経験を強さに変えてきたマスの生き様がすてきです。

越前敏弥(『十日間の不思議』)

浦崎直樹(『ずっとあなたを見ている』):『自由研究には向かない殺人』と、どちらにしようか迷いましたが、最終的に主人公マス・アライの魅力で、本作を選びました。

服部京子(『正義が眠りについたとき』)

高橋知子(『5分間ミステリー あなたが陪審員』)

鈴木恵(『第八の探偵』):まず広島弁の翻訳がすごい。翻訳者として賞賛せずにはいられません。そのうえ帰米二世マス・アライの眼を通して、日本というものを外から見なおす契機にもなる。たいへん刺激になりました。

 

候補作『ブラックサマーの殺人』M・W・クレイヴン/東野さやか(早川書房)

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田口俊樹(『長い別れ』):「台北プライベートアイ」とどっちにしようか最後まで悩みました。ハードボイルド翻訳者としては断然「台北」なんですが、おまえはエンタメ翻訳者だ! というお告げを得て以来、その線で生きていこうと思っておりまして、エンタメ度で言えば、「サマー」が勝るかなと思い。

吉野弘人(『最後の審判』):前作を上回る圧倒的な面白さ。前回の謎解きメインから、主人公にストレスを与えるスリリングな展開が加わってパワーアップした感じ。今後も愉しみ。

喜須海理子(『石が流す血』)

青木創(『宿敵』)

高山真由美(『女たちが死んだ街で』)

吉野山早苗(『あなたの知らない心臓の話』):冒頭の不穏な雰囲気、ぞわぞわした感じで、すぐに心をつかまれた。ティリーが1作でずいぶん成長したなーと思っていたら、そうでもなかったりで、その凸凹したところがよかった。被害者にされた仕打ちはひどすぎる。が、その一方で、「加害者、こんなことできるんだ、すごい」と妙に感心してしまった。

■『ブラックサマーの殺人』2021-11-11 書評七福神の十月度ベスト!

 

候補作『亡国のハントレス』ケイト・クイン/加藤洋子(ハーパーコリンズ・ジャパン)

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宇丹貴代実(『ある世捨て人の物語』):ニーナが魅力的! そして、物語の背景に心を大きく揺さぶられました。

『亡国のハントレス』2021-10-14 書評七福神の九月度ベスト!

 


 

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