書評家の長瀬海といいます。初めまして。いきなり登場して、なんなのですが、読書イベントのご案内です。書評家の倉本さおりさんと僕で、毎月、神保町の韓国専門のブックカフェ・チェッコリさんのスペースを借りて、「アジア文学の誘い(いざない)」というイベントを開催しています。毎回、アジアの小説を一つ選んで、参加者みんなで味わい尽くす、もっといえば、物語を通じてアジアの風景に触れる、そんな経験ができたら良いなと思ってはじめました。これまで台湾、韓国、中国、チベット、タイなどの小説を読んできました。そして、次回、10月は、香港の小説を読みます。

 取り上げるのは陳浩基『13・67』(天野健太郎訳、文藝春秋、2017年)です。このサイトをご覧になっている方はご存知かもしれませんが、華文ミステリーの傑作として、一昨年大きな話題を呼んだ作品です。

13・67

 小説は6作の中篇が逆年代記の形式で時代をさかのぼるという構成をとっています。「雨傘革命」の前年2013年から始まり、内戦が終結してまださほど時間の経っていない1967年まで。約半世紀の香港社会の変遷を、1人の名刑事の警察人生を逆向きにたどりつつ、描きます。

 読後、混沌の中で、知力と精神力の限りを尽くし、たくましく、地に足をつけて生き切った主人公の姿に心を奪われること必至な小説。エンタメ性も抜群ながら、香港社会の抱える困難や矛盾を見事に描いた本作は、こんな複雑な時代の今だからこそ読まれるべきだと思って、今回、「アジア文学の誘い」で取り上げることにしました。

 ストーリを味わうことで、そこに描かれる香港の街を、その風景を、歩いてみませんか? ゲストにミステリーなどの書評をメインにご活躍される杉江松恋さんをお招きします。華文ミステリー事情についてもたっぷり訊いちゃいます!

日時:2019年10月16日(水曜日)19:00 〜 20:30

場所:神保町 チェッコリ(地下鉄神保町駅A5・A7出口徒歩1分)

課題図書:陳浩基『13・67』(天野健太郎訳、文藝春秋、2017年)

定員:30名 参加費:1500円(ワンドリンク付き)

申し込み方法:下記のURLからお申し込みください。

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