11月02日(土)に第1回水戸読書会を開催しました。
翻訳者の高橋恭美子さんをお迎えし、
北海道、静岡、東京、千葉、埼玉、茨城県内からお集まりいただいて総勢11名。
本会&親睦会と、楽しいひと時を過ごしました。

課題書は、ロバート・クレイス「指名手配」。
30年続くシリーズの17作目。
ロサンゼルスの私立探偵エルヴィス・コールと相棒パイクの最新訳です。

まず本会冒頭から、筋金入りのクレイスファンや初クレイスの方も含め、皆でホリホリいたしました。
えっ、何を掘ったのかって?
もちろん、全編至る所に散りばめられたクレイス・ポイントをですよ!
これが楽しいのなんのって、出てくる出てくるお宝の山に
「このシーン、良いよねぇー」
「ストーリィに関係ないけど、ここ泣けるわ」
「この一言に痺れたぁ」
「ここ、子供たちへの優しさが滲んでる」
「ストーリィは複雑じゃないけど、キャラクターが皆生きてるよね」
「極悪コンビが律儀で憎めないんだぁ」
「**が徐々に短くなるのが巧いね」
「ちょい出のこの脇役がイイ!」
と大絶賛の嵐でして
唯一の不満はマギーが登場しないことぐらい。

加えて、往年のハードボイルドをリスペクトする要素も確認し合いましたよ。
・コールとパイクの関係はスペンサーの継承だね。
・さり気ないピンカートンの引用には参った。
・猫はアルトマン監督のマーロウだよ、みんなDVD観てね。
・酒場の音楽バトルはペレケーノスだ。
・ヒッチコックのシャワーシーンへの拘りが凄い。

そして最後には
「ハードボイルドって、優しさなのね」
へと行き着いたのでした。

みなさん、コール&パイク読みたくなったでしょ?
なので当然のことながら
「未訳を翻訳してぇ」
「せめて絶版本を再版して!」
などなど要望が噴出。
「クラウドファンディングしちゃおう」
と大胆な発案もあったりして。
まっ、とりあえずは翻訳家高橋さんから
「今コール&パイクの最新刊を翻訳中です。パイクが大暴れするのでお楽しみに~」
のお言葉で暴動へとは発展せずに、嬉しい悲鳴でお開きとなりました。

続く親睦会では、お酒を飲みながら
コナリー「暗く聖なる夜」を回し読み。
「おぉ~、ここにコールが出てるう」
と皆ニヤニヤしたのでありました。