11月19日(土)、神保町の古書店@ワンダーの2階、ブックカフェ二十世紀様にて、神保町ホームズ読書会の記念すべき第一回目が開催されました。ゲストは翻訳家の日暮雅通さん、駒月雅子さんのお二人。更にホームズものと言えばこの方、北原尚彦さんにもお越しいただき、日暮さん曰く、この3人が集まるのはホームズクラブのイベント以外では珍しいとの超豪華メンバーで読書会がスタートしました。

 課題図書はホームズとワトスンの出会いが書かれた『緋色の研究』の光文社文庫、または角川文庫。事前にどちらでも結構ですとアナウンスしたのですが、光文社・角川の両方を読み比べしてきた方もいらっしゃいました。ホームズものだったからか、ゲストに翻訳家の先生方がいらしたからか、翻訳についての質問がいくつか飛び交い、その後は物語の感想で盛り上がりました。

 この『緋色の研究』の特徴でもある二部構成はどうだったか、という話題で「第一部は文句なしに面白い」「ホームズたちの出てこない二部目は子供の頃はあまり…」「大人になってから読み返して二部が面白いと感じた」等の意見が多く、友達にお薦めするにはちょっぴり悩むものの、自分では二部目も好き、という方が沢山いらしたのが印象的です。「今ではこの構成が流行り」という声もあり、確かに…と頷く皆さんを見て、今になっても新たな発見があるなんて、やはりホームズ物語は奥が深いと密かに感動。自分以外の意見を聞けるのは読書会の醍醐味ですね。

 言葉についての話題もネタバレにならない程度に一つご紹介。作中に“サーカス”という単語が出てくるのですが、これが見世物のサーカスのことなのか、ロンドンのピカデリーサーカスなのか、あるいは広場的な意味なのか、という解釈でも意見が分かれました。各翻訳書ではどれでも通じる様に訳されている事もあり、この話題については家へ帰ってからも調べている方をインターネット上で複数見かけました。一つの結論を求めるのはもちろん面白いのですが、違った意見のそれぞれの理由を聞いて、自分が考えもしなかった発想に出会えるのは、とても得をした気分です。一冊で二度、三度楽しい、お得!

 ネタバレを気にせず語れる場という事で、休憩中もお喋りは尽きず、読書会で語りきれない分は二次会で、更に語り足りない方は三次会へと、ホームズ語り&ミステリ語りは続きました。今回初回の開催でしたので、「参加者さんは集まってくれるだろうか」から始まり、心配事も次回へ向けての改善点も多々ありましたが、ありがたい事に満員御礼の中、和気あいあいと楽しい読書会第一回目になったのではと思っております。何よりホームズを好きな方と沢山出会えた事が嬉しいです。

 素敵な時間をありがとうございました。

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