第47回 ちょっと雑だけどとにかく派手で痛快なアクションドラマ『Hawaii Five-0』

 冬到来で凍えている堺です。うう、寒い寒い。

 そんな寒ーい日本の冬を忘れたい人にお勧めなのが、今回ご紹介する『Hawaii Five-0(ハワイファイブオー)』です。

 この番組、元々は1968年から1980年まで全12シーズン284話が放送された大人気ドラマ『ハワイ5-0』を、現代的にアレンジして復活させたリメイク版です(ちなみに、『ハワイ5-0』は1970年に関東地方で26話のみ放送されただけなので、アメリカと違って残念ながら日本での知名度はほとんどありません)。

 ハワイ5-0というのは、ハワイ州知事直属の特別捜査班の名称です(もちろん、番組内の架空の設定なのですが、なんと今では「5-0」は警官を指すスラングとしてアメリカ国内に定着しているとか)。

 テロや強盗殺人などといった凶悪犯罪を含む、ありとあらゆる犯罪の捜査権はもとより、場合によっては防諜活動までも行うという、まさにハワイの治安を預かる少数精鋭の特捜部隊なのです(ということにして、小は個人的な殺人事件から、大は大規模テロまで、ありとあらゆるバラエティに富んだシナリオを作れるところが、この設定の上手いところでしょう)。

 今回のリメイク版では、その設定を生かし、毎回ど派手なアクションを盛り込んだ娯楽活劇に仕上がっています。まあ、その分、お話の整合性はけっこうゆるいんですけど、そこはご愛敬。

 美しいハワイの景観の中、毎回、5-0の面々が悪人をやっつけるストーリーに、スカッとした溜飲を下げるのを楽しむ番組なんですから。

 ただし、見てると「あー、ハワイ、行きたいよなー。あったかそうだし、海きれいだしー」とかって、ぐるぐる考えちゃいそうですけど(笑)。

 ちなみに、5-0の宿敵であるウォー・ファット(オリジナル版では中国のスパイという設定だったのが、さすがにそれはまずかったのが、今回は謎の犯罪組織のボスということになってます)にマーク・ダカスコス、日本のヤクザのドンにケイリー=ヒロユキ・タガワ、蛇頭のボスにウィル・ユン・リー等々、一昔前に活躍した(リーはまだまだ現役か?)アクション俳優の皆さんが、続々と敵役で登場するのも、これまたご愛敬、というか、アメリカ映画やテレビドラマのファンには楽しい見どころかも。

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 さて、ハワイを舞台にしたミステリというと、なんといっても名高いのはE・D・ビガーズによるチャーリー・チャンものでしょう。

 アメリカで活躍する東洋人の名探偵というだけでも珍しいのに、それが一世を風靡したというのですから、実に稀有な例と言ってもいいでしょう。

 といっても、本国アメリカにおいても、チャーリー・チャンは小説よりも映像化されたことで有名ですし、新刊で入手することは困難になっています。

 日本でも論創社から出ている二作以外は入手困難なのですが、実は全6長篇すべてが、以下の通り翻訳されたことがあるので、ぜひとも再び入手しやすくなってほしいものです。

《チャーリー・チャン》シリーズ・リスト

『鍵のない家』芸術社

『シナの鸚鵡』芸術社

『チャーリー・チャンの追跡』東京創元社

『黒い駱駝』論創社

『チャーリー・チャンの活躍』東京創元社

『チャーリー・チャン最後の事件』論創社

〔挿絵:水玉螢之丞〕  

○『Hawaii Five-0』第3シーズン、ブルーレイ&DVD予告編

○パラマウントジャパンの『Hawaii Five-0』公式ページ

http://www.five-0.jp/

○AXNの『Hawaii Five-0』公式ページ

http://axn.co.jp/program/hawaii5-0/index_s03.html

堺 三保(さかい みつやす)

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1963年大阪生まれ。零細文筆業者。訳書近刊にコミックス『R.I.P.D.』、『2ガンズ』(共に小学館集英社プロダクション)。

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