アメリカのベストセラー・ランキング

7月13日付 The New York Times紙(ハードカバー・フィクション部門)

1. INVISIBLE    New!

James Patterson and David Ellis ジェイムズ・パタースン、デイヴィッド・エリス

ベストセラー作家パタースンがエドガー賞作家エリスとのタッグで送るスリラーの第3弾。一見無関係に思える数々の未解決事件。休職中の女性FBI分析官エミーが、その背後にひそむ連続殺人犯を追う。

2. TOP SECRET TWENTY-ONE    Down

Janet Evanovich  ジャネット・イヴァノヴィッチ

バウンティハンター、ステファニー・プラム・シリーズの第21作。今回ステファニーが捜すのは裏商売で儲ける中古車ディーラー。関係者が次々と殺害されるなか、謎多き先輩ハンターのレンジャーにも危険が迫る。

3. THE SILKWORM    Down

Robert Galbraith ロバート・ガルブレイス

J・K・ローリングがガルブレイス名義で執筆する私立探偵コーモラン・ストライク・シリーズの第2作。ストライクが行方を追っていた作家が惨殺死体で発見される。被害者が書きあげたばかりのスキャンダラスな暴露本は、事件に関係しているのだろうか。

4. MR. MERCEDES    Stay

Stephen King スティーヴン・キング

中西部の町で1台のメルセデスが失業者の列につっこみ、8名の命を奪って逃走する。退職刑事のビル・ホッジスは“メルセデス・キラー” のさらなる犯行を阻止すべく立ちあがる。ハードボイルド3部作の第1作。

5. WRITTEN IN MY OWN HEART’S BLOOD    Down

Diana Gabaldon ダイアナ・ガバルドン

ヒストリカルロマンスのアウトランダー・シリーズ第8作。独立戦争中のフィラデルフィアと20世紀のスコットランドを舞台に、さらなる苦難に見舞われるフレイザー一家の姿を描く。

6. THE GOLDFINCH    Stay

Donna Tartt ドナ・タート

爆破事故で母を失った少年が過酷な運命に翻弄され、大人になるまでの物語。2014年ピューリッツァー賞(フィクション部門)を受賞、2015年に邦訳出版が予定されている。

7. ALL FALL DOWN    Down

Jennifer Weiner ジェニファー・ウェイナー

『イン・ハー・シューズ』の作者による第11作。理想的に見える家庭生活の裏でストレスを抱える女性が鎮痛剤依存症におちいり、そこから立ち直ろうともがく姿を描く。

8. ALL THE LIGHT WE CANNOT SEE    Up

Anthony Doerr アンソニー・ドーア

フランスに住む盲目の少女と、無線技師となり戦争に巻きこまれていくドイツ人の青年——第二次大戦直前、ふたりの人生がサン・マロで交錯する。短編集『シェル・コレクター』でデビューした著者の4年ぶりの新作長編。

9. COP TOWN    New!

Karin Slaughter カリン・スローター

『開かれた瞳孔』にはじまる検死官サラ・リントン・シリーズで知られる作者の最新作。1970年代のアトランタを舞台に、ケイトとマギーの女性警官コンビが警官殺しの犯人を追う。

10. THE VACATIONERS    Down

Emma Straub エマ・ストラウブ

マンハッタンに住む熟年夫婦が、子どもや友人とともにマヨルカ島で2週間の休暇をすごす。やがてそれぞれが抱いた秘密や不満が明らかになり……アマゾンの6月度の“Best Books of the Month”にも選ばれた1冊。

【まとめ】

人気シリーズを数多く持つジェイムズ・パタースンの“INVISIBLE”(6月23日刊)が初登場で1位を獲得。3位のロバート・ガルブレイスは、第1作『カッコウの呼び声』の邦訳が6月に刊行されたばかりです。刊行から日が浅い作品が多いなか、ドナ・タートの11年ぶりの新作は36週ランクイン中。今週はトップテンのうち、5作がミステリー&スリラーという結果になりました。

今月より、ニューヨーク・タイムズ紙のベストセラー・リスト(ハードカバー・フィクション部門)の最新情報を毎週月曜日にお伝えします。

国弘喜美代、青木創、北田絵里子、満園真木、中谷友紀子の5名が週替わりで担当します。

中谷友紀子(なかたに ゆきこ)

関西在住の翻訳者。訳書はギリアン・フリン『冥闇』、『ゴーン・ガール』など。好きな作家はクレイグ・ライス。ただいま口寂しさとたたかいながら、料理がテーマの作品を翻訳中です。“ミントソース”にも興味津々。