アメリカのベストセラー・ランキング

9月28日付 The New York Times紙(ハードカバー・フィクション部門)

1. PERSONAL    Stay

Lee Child リー・チャイルド

一匹狼の元軍人ジャック・リーチャーが活躍する人気シリーズ第19作。パリでフランス大統領の暗殺未遂事件が発生する。次なる標的はおそらくサミット。リーチャーはかつて自らの手で捕らえた容疑者の凄腕スナイパーをふたたび追う。

2. SOMEWHERE SAFE WITH SOMEBODY GOOD    Stay

Jan Karon ジャン・カロン

ノース・カロライナの架空の田舎町ミットフォードを舞台に、住民たちの悲喜こもごもを描いたヒューマンドラマ・シリーズ第10作。前作でシリーズ完結が告げられてから9年、旅を終えた主人公の牧師夫妻がミットフォードへ帰ってくる。

3. FESTIVE IN DEATH    New!

J. D. Robb J・D・ロブ

近未来を舞台にしたロマンティック・サスペンス、イヴ&ローク・シリーズの第39作。クリスマスが迫ってパーティ客のリスト作りや買い物できぜわしいなか、殺人事件が起こり、イヴは捜査に忙殺される。

4. THE CHILDREN ACT    New!

Ian McEwan イアン・マキューアン

ロンドン高等法院の女性裁判官フィオナのもとに、急を要する案件が持ちこまれる。白血病の17歳の青年が信仰上の理由で輸血を拒んでいることに対する、病院からの訴えだった。青年とその家族と話すうちに、結婚生活に悩むフィオナ自身の気持ちも変化してゆく。

5. THE WITCH WITH NO NAME    New!

Kim Harrison キム・ハリスン

魔女探偵レイチェル・シリーズの最後となる第13作。吸血鬼や人狼にまつわる事件を解決してきた魔女レイチェルが、今作では相棒アイヴィと吸血鬼たちの危機を救おうとする。第1作のみが邦訳されている。

6. THE BONE CLOCKS    Down

David Mitchell デイヴィッド・ミッチェル

『クラウド・アトラス』で知られる著者の第6作。霊感の強い少女、イラク戦争の従軍記者、落ち目の小説家。数人の語り手によって、不死なる者たちのひそかな戦いが明らかにされていくメタフィジカル・スリラー。2014年ブッカー賞ノミネート。

7. THE SECRET PLACE    Down

Tana French タナ・フレンチ

ダブリンの女子寄宿学校の校庭で発見された少年の遺体。1年後、校内の掲示板に何者かが貼った少年の写真には、“犯人を知っている”の文字が……『悪意の森』でミステリー各賞の新人賞を総なめにしたアイルランド人作家の第5作。

8. THE KING’S CURSE    New!

Philippa Gregory フィリッパ・グレゴリー

『白薔薇の女王』からはじまるカズンズ・ウォー・シリーズの第6作。著者の『ブーリン家の姉妹』の前の時代を描いたシリーズで、本作が最後を締めくくる。ソールズベリー女伯マーガレット・ポールの物語。

9. THE EYE OF HEAVEN    Down

Clive Cussler and Russell Blake クライブ・カッスラー、ラッセル・ブレイク

トレジャーハンターのファーゴ夫妻シリーズ第6作。北極圏を訪れた夫妻は、氷に閉ざされたヴァイキング船を発見する。だがそこにはなぜか、古代メキシコ文明の工芸品が積まれていた。

10. COLORLESS TSUKURU TAZAKI AND HIS YEARS OF PILGRIMAGE    Down

Haruki Murakami 村上春樹

日本では2013年に出版された『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』の英訳版。大学生のとき、友人4人から突然絶交された男が、ある女性との出会いをきっかけに、十数年を経てその理由を探ろうとする。

【まとめ】

4作が新たに登場しました。47週ランクインのドナ・タートがトップテン外の14位に。11位のリード・ファレル・コールマン“ROBERT B. PARKER’S BLIND SPOT”は、ロバート・B・パーカーのジェッシィ・ストーンを、13位のソフィー・ハンナ“THE MONOGRAM MURDERS”は、アガサ・クリスティーのポアロのシリーズを書き継いだ新作です。ジェイムズ・エルロイの“PERFIDIA”が16位にはいっています。

国弘喜美代(くにひろ きみよ)

訳書はエラリー・クイーン『オランダ靴の秘密』、『アメリカ銃の秘密』(いずれも越前敏弥さんとの共訳)、マイケル・ハーグ『インフェルノ・デコーデッド』。