アメリカのベストセラー・ランキング
11月2日付 The New York Times紙(ハードカバー・フィクション部門)
1. LEAVING TIME New!
Jodi Picoult ジョディ・ピコー
ジェナが3歳のとき、象の研究者だった母は幼い娘を残して突然姿を消した。象にまつわる死亡事故が起こり、その混乱のなかでいなくなったのだ。10年後、ジェナは母の書いた研究日誌を読み、探偵と霊能力者の助けを借りて母の足跡をたどってゆく。
2. DEADLINE Down
John Sandford ジョン・サンドフォード
“獲物”シリーズに登場するミネソタ州犯罪捜査局捜査官を主人公とするヴァージル・フラワーズ・シリーズの第8作。田舎町で頻発する飼い犬の盗難事件。友人の依頼で捜査に向かうヴァージルだが、さらにその町で新聞記者が殺害される。
3. EDGE OF ETERNITY Stay
Ken Follett ケン・フォレット
1960年代から80年代にかけて、国籍のちがう5つの家族が、冷戦という時代に翻弄されながら生きていくさまを描く。『巨人たちの落日』『凍てつく世界』につづく、20世紀をテーマにした「100年3部作」の第3部。
4. BURN Down
James Patterson and Michael Ledwidge ジェイムズ・パタースン、マイクル・レドウィッジ
ベストセラー作家パタースンとレドウィッジの共著によるニューヨーク市警刑事マイケル・ベネット・シリーズの第7作。ハーレムの空きビルで怪しげなパーティが開かれているとの通報を受けたベネット。やがてそのビルで黒焦げの死体が見つかる。
5. SOMEWHERE SAFE WITH SOMEBODY GOOD Stay
Jan Karon ジャン・カロン
ノース・カロライナの架空の田舎町ミットフォードを舞台に、住民たちの悲喜こもごもを描いたヒューマンドラマ・シリーズ第10作。前作でシリーズ完結が告げられてから9年、旅を終えた主人公の牧師夫妻がミットフォードへ帰ってくる。
6. LILA Down
Marilynne Robinson マリリン・ロビンソン
“Gilead”で2005年のピューリッツァー賞(フィクション部門)を受賞した著者による第4作。“Gilead”の主人公、ジョン・エイムズ牧師の妻ライラが過ごしてきた苦難の少女時代が描かれる。2014年全米図書賞最終候補作。
7. ALL THE LIGHT WE CANNOT SEE Stay
Anthony Doerr アンソニー・ドーア
フランスに住む盲目の少女と、無線技師となり戦争に巻きこまれていくドイツ人の青年——第二次大戦直前、ふたりの人生がサン・マロで交錯する。短編集『シェル・コレクター』でデビューした著者の4年ぶりの新作長編。
8. PERSONAL Down
Lee Child リー・チャイルド
一匹狼の元軍人ジャック・リーチャーが活躍する人気シリーズ第19作。パリでフランス大統領の暗殺未遂事件が発生する。次なる標的はおそらくサミット。リーチャーはかつて自らの手で捕らえた容疑者の凄腕スナイパーをふたたび追う。
9. SOME LUCK Down
Jane Smiley ジェーン・スマイリー
『大農場』で知られるピューリッツァー賞作家による新作大河小説。アイオワ州の農場をおもな舞台に、1920年代から1950年代にかけての大恐慌や第二次大戦、冷戦を生きぬくラングドン一家の姿が描かれる。3部作の第1作。
10. THE NARROW ROAD TO THE DEEP NORTH New!
Richard Flanagan リチャード・フラナガン
第二次大戦中に日本軍の捕虜になり、泰緬鉄道の敷設作業を強要されたオーストラリア人医師の物語。2014年ブッカー賞に選ばれた。著者が父の実体験をもとに、12年を費やし、生と死、善と悪、友と家族、そして愛について描いた作品。
【まとめ】
ベストセラー『私の中のあなた』の著者ジョディ・ピコーの新作が1位を奪取。ブッカー賞を受賞したばかりの作品、リチャード・フラナガン“THE NARROW ROAD TO THE DEEP NORTH”が10位にはいりました。著者によれば、タイトルは松尾芭蕉の『奥の細道』を意識したものなのだとか。ベストテン外には、クリスマス・ノベル(11位にエリン・ヒルダーブランド“WINTER STREET”、12位にデビー・マッコーマー“MR. MIRACLE”)が登場しています。
国弘喜美代(くにひろ きみよ) |
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訳書はエラリー・クイーン『オランダ靴の秘密』、『アメリカ銃の秘密』(いずれも越前敏弥さんとの共訳)、マイケル・ハーグ『インフェルノ・デコーデッド』。 |