アメリカのベストセラー・ランキング
12月7日付 The New York Times紙(ハードカバー・フィクション部門)
1. THE ESCAPE New!
David Baldacci デイヴィッド・バルダッチ
米陸軍犯罪捜査官ジョン・プラーのシリーズ第三作。反逆罪で終身刑に服していたジョンの兄が厳重警備の刑務所から脱獄した。調査に乗りだしたジョンは、どうやら事件には裏があるようだと気づく。真実が明るみに出ると困る人間が兄の命を狙っているらしい。
2. REVIVAL Down
Stephen King スティーヴン・キング
1960年代、メイン州の田舎町の牧師ジェイコブズは、家族を亡くした絶望から信仰を捨て、姿を消す。町の少年ジェイミーは、30年後、あやしげな電気療法を用いるジェイコブズと再会し、薬物依存症の治療を受けるが……キングによる現代版『フランケンシュタイン』。
3. GRAY MOUNTAIN Down
John Grisham ジョン・グリシャム
リーマン・ショックに揺れるアメリカ。新人弁護士のサマンサは、ウォール・ストリートの大手法律事務所からヴァージニア州の田舎町の法律相談所に移籍させられるが、そこで弁護士として成長しながら、悪辣な巨大石炭産業に立ち向かう。
4. THE MISTLETOE PROMISE New!
Richard Paul Evans リチャード・ポール・エヴァンズ
「クリスマスまで恋人のふりをしてもらえないか」——三年前に離婚してひとりでホリデーシーズンを迎えようとしていたエリースに、見知らぬ魅力的な男性が声をかける。『クリスマス・ボックス』の作者によるラブストーリー。
5. THE BURNING ROOM Down
Michael Connelly マイクル・コナリー
ロス市警刑事ハリー・ボッシュを主人公とするシリーズの第19作。10年前に撃たれた傷がもとで最近死亡したマリアッチ・ミュージシャン。ボッシュが新たな相棒の女性刑事とともに捜査にあたるうち、銃撃事件と20年前の放火殺人とのつながりが明らかになる。
6. THE CINDERELLA MURDER New!
Mary Higgins Clark and Alafair Burke メアリ・ヒギンズ・クラーク、アラフェア・バーク
テレビプロデューサーのローリーは未解決事件を題材に番組を作るべく調査をはじめた。目をつけたのは、20年前女優志望の女子学生が殺され、遺体の靴が片方だけだったことからシンデレラ殺人と呼ばれている事件だ。クラークとバークの共作によるシリーズ第1作。
7. FLESH AND BLOOD Down
Patricia Cornwell パトリシア・コーンウェル
ケイ・スカーペッタを主人公とする検屍官シリーズの第22作。スカーペッタの自宅の塀の上に並べられた、不審な7枚の1セント硬貨。子どものいたずらか、あるいは、連続する銃撃事件になんらかの関わりがあるのだろうか。
8. ALL THE LIGHT WE CANNOT SEE Stay
Anthony Doerr アンソニー・ドーア
フランスに住む盲目の少女と、無線技師となり戦争に巻きこまれていくドイツ人の青年——第二次大戦直前、ふたりの人生がサン・マロで交錯する。短編集『シェル・コレクター』でデビューした著者の4年ぶりの新作長編。
9. THE JOB New!
Janet Evanovich and Lee Goldberg ジャネット・イヴァノヴィッチ、リー・ゴールドバーグ
FBI特別捜査官ケイトとハンサムな詐欺師ニックがコンビを組むシリーズの長編第3作。裏社会の事情にくわしいニックは、FBIから取引を持ちかけられて極秘で犯罪捜査に協力している。今回ふたりは世界的な麻薬密輸組織のリーダーを追う。
10. PRINCE LESTAT Down
Ann Rice アン・ライス
『夜明けのヴァンパイア』からはじまる壮大なシリーズ〈ヴァンパイア・クロニクルズ〉の最新作。レスタト・ド・リオンクールを中心とした主要キャラクターが顔を揃える、初期5作品の続編であり、新シリーズの幕開けともなる作品。
【まとめ】
4作が初登場し、日本でも人気の高い作家がならぶ華やかなランキングとなりました。新作のうちふたつが共作です。6位はサスペンスの女王メアリ・ヒギンズ・クラークと、女検事補サム・キンケイド・シリーズのアラフェア・バークとが組んだシリーズ第1作。9位でイヴァノヴィッチとタッグを組むリー・ゴールドバーグは、〈名探偵モンク〉など多数の人気テレビシリーズの脚本も手がけています。
国弘喜美代(くにひろ きみよ) |
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訳書はエラリー・クイーン『アメリカ銃の秘密』(越前敏弥さんとの共訳)、マイケル・ハーグ『インフェルノ・デコーデッド』。先日、はじめて読書会に参加させていただきました。西東京読書会、課題書はいま話題の『その女アレックス』です。本好きの人たちが集まってひとつの作品について語る会の熱いこと! いろいろな読み方があるんだなと新鮮に感じました。 |