アメリカのベストセラー・ランキング
3月1日付 The New York Times紙(ハードカバー・フィクション部門)
1. THE GIRL ON THE TRAIN Stay
Paula Hawkins ポーラ・ホーキンズ
ロンドンに住むレイチェルは、毎朝同じ通勤電車に乗り、線路ぞいのある家に暮らす夫婦の朝食風景をながめるのを日課にしていたが、ある日意外な場面を車窓から目撃する。やがてその夫婦の妻の失踪が明らかになり……。イギリスの新人女性作家による心理サスペンス。
2. ALL THE LIGHT WE CANNOT SEE Stay
Anthony Doerr アンソニー・ドーア
フランスに住む盲目の少女と、無線技師となり戦争に巻きこまれていくドイツ人の青年——第二次大戦直前、ふたりの人生がサン・マロで交錯する。短編集『シェル・コレクター』でデビューした著者の4年ぶりの新作長編。
3. OBSESSION IN DEATH New!
J. D. Robb J・D・ロブ
華やかな活躍により注目を集める敏腕女性警部補イヴを崇拝し、忠実な真の友人と自称するストーカーが現れた。“イヴのために”殺人を繰り返し、とうとうその標的は……。イヴ&ローク・シリーズ第40作。
4. A SPOOL OF BLUE THREAD New!
Ann Tyler アン・タイラー
ボルティモア郊外に建つ古びた平凡な家を軸に、70代のアビーとレッドを中心としたホイットシャンク一家四世代の、愛情だけではない複雑な感情を描いたファミリードラマ。『ブリージング・レッスン』(1988年)でピューリッツァー賞を受賞した人気作家の20作目。
5. THE NIGHTINGALE Down
Kristin Hannah クリスティン・ハンナ
ドイツ軍に占領されたロワール地方の村で幼い娘をかかえて苦労するヴィアンヌと、パリでレジスタンスの活動に身を投じたイザベル。第二次大戦中のフランスを舞台に、苛酷な時代を強く生き抜いた姉妹の姿を描く。
6. TRIGGER WARNING Down
Neil Gaiman ニール・ゲイマン
人気アメリカン・コミック『サンドマン』シリーズの原作や、ヒューゴー賞・ローカス賞受賞の『アメリカン・ゴッズ』などで知られる著者の3冊目の短編集。未発表の『アメリカン・ゴッズ』スピンオフ短編“Black Dog”など25編がおさめられている。
7. MOTIVE New!
Jonathan Kellerman ジョナサン・ケラーマン
ロサンゼルスの小児臨床心理医アレックス・デラウェア・シリーズの第30作。殺人事件の捜査中、新たに出てくる奇妙な手がかり——アレックスと殺人課刑事マイロ・スタージスは、複数の殺人事件が狂気に満ちたシリアルキラーによるものだと気づく。
8. PRIVATE VEGAS Down
James Patterson and Maxine Paetro ジェイムズ・パタースン、マキシン・ペトロ
元海兵隊のジャック・モーガンが民間調査会社“プライベート”を率いて難事件に取り組むシリーズの第5作。女性ばかりを狙った誘拐事件が発生するが、警察による捜査は外交特権に阻まれる。自身も命を狙われながら、ジャックは殺人嗜好者を追う。
9. GRAY MOUNTAIN Down
John Grisham ジョン・グリシャム
リーマン・ショックに揺れるアメリカ。新人弁護士のサマンサは、ウォール・ストリートの大手法律事務所からヴァージニア州の田舎町の法律相談所に移籍させられるが、そこで弁護士として成長しながら、悪辣な巨大石炭産業に立ち向かう。
10. TWELVE DAYS New!
Alex Berenson アレックス・ベレンスン
CIAの元工作員ジョン・ウェルズは、大統領にイラン侵攻を決断させる策略の存在を知る。だが証拠がなく、CIAもホワイトハウスも耳を貸さない。核施設への攻撃まで残された12日間で、攻撃を食い止めることができるのか。元NYT記者である著者のシリーズ9作目。
【まとめ】
1位と2位は4週連続と強いです。3位、7位、10位にサスペンスの人気シリーズの新作が、それぞれ手がたくランクイン。ベストテン外では、11位にジェームズ・ロリンズの『血の福音書』からはじまる三部作の新刊“BLOOD INFERNAL”、面白いところでは16位に『Xファイル』のモルダーことデイヴィッド・ドゥカヴニーの初の小説“HOLY COW”が初登場。こちらも楽しみです。
佐藤桂(さとう けい) |
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こちらでははじめまして。大阪在住の翻訳者です。読書会はいまのところ幽霊会員(すみません)。訳書は『エジプト十字架の秘密』(越前敏弥さんとの共訳)、そのほかノンフィクションで動物・自然科学、ビジネス書が少々。どうぞよろしくお願いいたします。 |