アメリカのベストセラー・ランキング

9月27日付 The New York Times紙(ハードカバー・フィクション部門)

1. MAKE ME    New!

Lee Child リー・チャイルド

元アメリカ陸軍憲兵隊捜査官のジャック・リーチャーが活躍するシリーズの第20作。流れ者の暮らしをつづけるリーチャーは、オクラホマの田舎町で元FBI捜査官のミシェルと知り合う。そしてその町で行方不明になったミシェルの友人の捜索を手伝うことになるが、住民は不自然なまでに非協力的だった。

2. THE GIRL IN THE SPIDER’S WEB    Down

David Lagercrantz ダビド・ラーゲルクランツ

故スティーグ・ラーソンによるミレニアム3部作の続編を故人と同じスウェーデンの作家が書き継いだもの。スティーグ・ラーソンは4部目に着手していたが、その草稿は今作に反映されていない。とはいえ、リスベットとミカエルは引きつづき登場し、今回リスベットはNSAのシステム侵入に挑む。

3. GO SET A WATCHMAN    Stay

Harper Lee ハーパー・リー

ピュリッツアー賞受賞作で映画にもなった『アラバマ物語』(1960年刊行、原題は“TO KILL A MOCKINGBIRD”)の著者による半世紀ぶりの新作。『アラバマ物語』の語り手の女性、スカウトのその後を描いたもので、1950年代に執筆された草稿が最近見つかり、出版の運びとなった。

4. THE GIRL ON THE TRAIN    Up

Paula Hawkins ポーラ・ホーキンズ

ロンドンに住むレイチェルは、毎朝同じ通勤電車に乗り、線路ぞいのある家に暮らす夫婦の朝食風景をながめるのを日課にしていたが、ある日意外な場面を車窓から目撃する。やがてその夫婦の妻の失踪が明らかになり……。イギリスの新人女性作家による心理サスペンス。『ガール・オン・ザ・トレイン(仮題)』(池田真紀子訳)講談社文庫より2015年10月15日発売予定。

5. STAR WARS: AFTERMATH    Down

Chuck Wendig チャック・ウェンディグ

スター・ウォーズ・シリーズの公式の続編。エピソード6「ジェダイの帰還」の直後からエピソード7「フォースの覚醒」までの時代を舞台に描く3部作の小説の第1作。今年の12月にエピソード7の映画公開が予定されている。

6. PURITY    Down

Jonathan Franzen ジョナサン・フランゼン

ピュリティは父親がだれなのか知らない。母が昔のことを話そうとしないからだ。大学を出たばかりで、多額の学資ローンを抱え、夢もなく、仕事も恋もうまくいかないピュリティは、自分の過去がわかればすべてが好転するのではないかと考える。そんなときに怪しげな社会活動に携わるドイツ人の女が妙な申し出をしてきて——

7. ALL THE LIGHT WE CANNOT SEE    Stay

Anthony Doerr アンソニー・ドーア

フランスに住む盲目の少女と、無線技師となり戦争に巻きこまれていくドイツ人の青年——第二次大戦直前、ふたりの人生がサン・マロで交錯する。短編集『シェル・コレクター』でデビューした著者の4年ぶりの新作長編。新潮クレスト・ブックスから邦訳刊行予定。

8. X    Down

Sue Grafton スー・グラフトン

私立探偵キンジー・ミルホーン・シリーズ24作目。“A IS FOR ALIBAI”から“W IS FOR WASTED ”まで続いてきたタイトル(邦訳は『ロマンスのR』まで刊行)が、今回は“X”の1文字に。亡き仕事仲間の古いファイルに紛れた未解決事件の情報——出所後に失踪した息子を捜す依頼人の嘘——近所に越してきた老夫婦の隠し事。絡まる複数の謎をキンジーが追う。

9. TWO YEARS EIGHT MONTHS AND TWENTY-EIGHT NIGHTS    New!

Salman Rushdie サルマン・ラシュディ

近未来のニューヨークを嵐が襲い、それをきっかけにさまざまな人々がさまざまな超能力に目覚める。彼らはみなジン——精霊——の王女の子孫であり、千一夜つまり2年8カ月と28夜つづく光と闇の戦いに身を投じることになる。

10. UNDERCOVER    Down

Danielle Steel ダニエル・スティール

麻薬密売組織への潜入捜査で腕を負傷し、DEAの特別捜査官をつづけられなくなったマーシャルは、平穏を求めて向かったパリでアリアナという女性と出会う。実はアリアナにも米国大使の父に同行してアルゼンチンを訪れ、誘拐された経験があった。なおもつきまとう過去にふたりは立ち向かう。

【まとめ】

ジャック・リーチャー・シリーズの最新作が初登場で1位を獲得しました。同シリーズは第9作の『アウトロー』が2012年にトム・クルーズ主演で映画化され、大ヒットを記録しています。邦訳は、最近では一昨年にその『アウトロー』が、昨年に第17作の『最重要容疑者』が刊行されました。9位のラシュディ(ルシュディー)は『悪魔の詩』の作者として知られ、同書はイスラム教を侮辱しているとして激しい反発を招き、日本でも痛ましい事件が起こりました。トップテン外では、ロバート・B・パーカーのジェッシイ・ストーン・シリーズをリード・ファレル・コールマンが引き継いだ“ROBERT B. PARKER’S THE DEVIL WINS”が12位にランクインしています。

青木創(あおき はじめ)

フィクション翻訳とノンフィクション翻訳の両方を手がけています。P・メイの『さよなら、ブラックハウス』の続編『忘れゆく男』が3月に刊行されました。そのほかの訳書に、D・ワッツ『偶然の科学』、A・フランセス『〈正常〉を救え』など。