アメリカのベストセラー・ランキング
4月3日付 The New York Times紙(ハードカバー・フィクション部門)
アメリカのベストセラー・ランキング
4月3日付 The New York Times紙(ハードカバー・フィクション部門)
1.PRIVATE PARIS New!
James Patterson and Mark Sullivan ジェイムズ・パタースン、マーク・サリヴァン
元海兵隊のジャック・モーガンが民間調査会社“プライベート”を率いて難事件に取り組むシリーズの第6作。パリでのんびり過ごすつもりが、クライアントの孫娘が麻薬ディーラーに追われているとの報を受けて捜索に乗り出したジャック。同じころ、フランス文化界の有力者数人が遺体で発見された。
2.PROPERTY OF A NOBLE WOMAN New!
Danielle Steel ダニエル・スティール
ニューヨークの銀行の貸金庫に置き去りにされたジュエリーボックス。なかに収められていたジュエリーの調査で出会った、法務書記のジェーンとオークションハウスの美術品専門家フィリップのふたりが、添えられていた色褪せた写真と古い手紙を手がかりに、もとの持ち主を捜すうち、ジュエリーに秘められた第二次大戦中の悲恋の物語が明らかになっていく。
3. ALL THE LIGHT WE CANNOT SEE Stay
Anthony Doerr アンソニー・ドーア
フランスに住む盲目の少女と、無線技師となり戦争に巻きこまれていくドイツ人の青年——第二次大戦直前、ふたりの人生がサン・マロで交錯する。短編集『シェル・コレクター』でデビューした著者の4年ぶりの新作長編。新潮クレスト・ブックスから邦訳刊行予定。
4. THE NIGHTINGALE Up
Kristin Hannah クリスティン・ハナ
ドイツ軍に占領されたロワール地方の村で幼い娘をかかえて苦労するヴィアンヌと、パリでレジスタンスの活動に身を投じたイザベル。第二次大戦中のフランスを舞台に、苛酷な時代を強く生き抜いた姉妹の姿を描く。小学館から『ナイチンゲール(上・下)』(加藤洋子訳)として邦訳刊行予定。
5. OFF THE GRID Down
C.J.Box C・J・ボックス
ワイオミング州の州猟区管理官ジョー・ピケットを主人公にしたシリーズ最新作。ピケットの友人ネイト・ロマノウスキは、怪我から回復し、過去の罪と向き合おうとしていた。そんな彼のまえに、エリート特殊工作員部隊が現われる。彼らはネイトの罪を帳消しにする代わりに、ワイオミング州レッドデザートのテロ組織壊滅に手を貸せと申し出る。
6. THE GIRL ON THE TRAIN Down
Paula Hawkins ポーラ・ホーキンズ
ロンドンに住むレイチェルは、毎朝同じ通勤電車に乗り、線路ぞいのある家に暮らす夫婦の朝食風景をながめるのを日課にしていたが、ある日意外な場面を車窓から目撃する。やがてその夫婦の妻の失踪が明らかになり……。イギリスの新人女性作家による心理サスペンス。邦訳『ガール・オン・ザ・トレイン』(池田真紀子訳)が講談社文庫より刊行されている。
7. DEEP BLUE New!
Randy Wayne White ランディ・ウェイン・ホワイト
元NSA局員でフロリダに住む海洋生物学者ドク・フォード・シリーズ第23作。ドク・フォードは、人質殺害の再発を阻止すべく、ISISとともに活動しているあるアメリカ人の足取りを追うが、作戦は難航し、ドク自身にも危険が迫る。
8. THE GANGSTER Down
Clive Cussler and Justin Scott クライブ・カッスラー、ジャスティン・スコット
私立探偵アイザック・ベル・シリーズの第9作。1906年、ニューヨークで幅を利かせるイタリア系犯罪組織を抑止すべく、特別対策班に協力するヴァン・ドーン探偵社。混沌のなかで起こる連続殺人を追うベルは、犯人の最後の標的が途方もない人物であると気づく。
9. DARK PROMISES New!
Christine Feehan クリスティン・フィーハン
かつては心優しい研究者だったゲイリーが、カルパチアンの戦士となって日々傷つく姿を見かねた婚約者のガブリエルは、カラパチア山脈を遠く離れて穏やかな生活を送りたいと望むが……。ヴァンパイアに似た謎の種族“カルパチアン”をめぐる人気パラノーマル・ロマンス・シリーズ第29作。
10. THE STEEL KISS Down
Jeffery Deaver ジェフリー・ディーヴァー
リンカーン・ライム・シリーズ最新作。アメリア・サックスがブルックリンのデパートで殺人犯を追跡している最中、突如エスカレーターが故障する。事故に巻き込まれた犠牲者を救出しようとしているうちに、アメリアは獲物を逃してしまう。しかし、これは事故ではなく、犯人の仕組んだ一連の攻撃計画の端緒だった。リンカーン・ライムとアメリアは、この恐ろしい殺人犯に挑む。
【まとめ】
今週も1、2、7、9位と、新たに4作がランクインしました。1位のジェイムズ・パタースンは共著作品も変わらぬ人気ぶりです。7位のランディ・ウェイン・ホワイトによるドク・フォード・シリーズは、第4作『波間に消えた叫び』、第5作『サントーヤ家の秘宝』(いずれも菊池よしみ訳)のみ邦訳刊行されており、9位にランクインしたクリスティン・フィーハンの闇の一族カルパチアン・シリーズは、第3作『夜霧は愛とともに』(島村浩子訳)まで二見文庫より邦訳が刊行されています。
吉井智津(よしい ちづ) |
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大阪在住の翻訳者。訳書はベリンダ・バウアー『生と死にまつわるいくつかの現実』など。今年も翻訳ミステリー大賞、翻訳ミステリー読者賞、まもなくの発表が楽しみですね! 関西方面では4月24日にパトリシア・ハイスミス『キャロル』を課題書に第8回神戸読書会が開催予定、参加者募集中です! |