アメリカのベストセラー・ランキング

8月7日付 The New York Times紙(ハードカバー・フィクション部門)

1. THE BLACK WIDOW    Stay

Daniel Silva ダニエル・シルヴァ

美術修復師にしてイスラエル諜報機関の伝説のスパイ、ガブリエル・アロン・シリーズの第16作。パリ・マレ地区のユダヤ人街でISISによる大規模な爆弾テロが発生。フランス政府より協力要請を受けたアロンは、次なる攻撃を阻止すべく、イスラエル人の女性医師をスパイとしてISISに潜入させる。

2. THE GIRLS    Stay

Emma Cline エマ・クライン

1969年の夏、カリフォルニアの孤独な14歳の少女イーヴィは、自由奔放な19歳のスザンヌと出会い、ヒッピーのグループに強く惹かれていく。だが、ようやく見つけたその居場所は暴力的なカルト集団だった。

3. FIRST COMES LOVE    Stay

Emily Giffin エミリー・ギフィン

結婚して子供をもちたい教師のジョシーと、完璧な仕事と家庭を手に入れながらも幸せを感じられない弁護士のメレディス。15年前、家族に起きたある出来事がもとで疎遠になっていた姉妹は、ともに30代後半を迎えたいま、和解への道を歩みはじめる。

4.THE WOMAN IN CABIN 10    New!

Ruth Ware ルース・ウェア

小型客船で北海をイギリスからノルウェーへ向かう途中、旅行雑誌の記者ローラは、深夜に人が海に落ちたような音を聞く。隣の10号室の女がいなくなっていたが、姿を見かけたのはローラだけで、船員も乗客も全員が10号室は空室だったと言う。自分を疑いながらも、ローラは独自に調査をはじめる。

5. MAGIC    Down

Danielle Steel ダニエル・スティール

年に一度、パリの名所で豪勢なディナーがふるまわれる。エッフェル塔、ルーブル美術館、ノートルダム……選ばれたゲストには秘密の招待状が送られ、会場では日没とともに数千本のキャンドルに火が灯される。食後、彼らは願いを書いた提灯を空に飛ばす。このディナーに参加した三組の夫婦に、夏の夜、パリでしかありえない魔法が始まる。

6. THE NIGHTINGALE    Up

Kristin Hannah クリスティン・ハナ

ドイツ軍に占領されたロワール地方の村で幼い娘をかかえて苦労するヴィアンヌと、パリでレジスタンスの活動に身を投じたイザベル。第二次大戦中のフランスを舞台に、苛酷な時代を強く生き抜いた姉妹の姿を描く。小学館より『ナイチンゲール(上・下)』(加藤洋子訳)として邦訳が刊行されている。

7. THE GAMES    Down

James Patterson and Mark Sullivan ジェイムズ・パタースン、マーク・サリヴァン

元海兵隊のジャック・モーガンが民間調査会社“プライベート”を率いて難事件に取り組むシリーズの第7作。舞台はオリンピック開催を間近に控えたリオデジャネイロ。2年前のサッカー・ワールドカップ開催時に起きた不審死とも関連する大会阻止計画の情報を得たジャックたちは、前代未聞の大惨事を食い止めることができるのか。

8. ALL THE LIGHT WE CANNOT SEE   Stay

Anthony Doerr アンソニー・ドーア

フランスに住む盲目の少女と、無線技師となり戦争に巻きこまれていくドイツ人の青年——第二次大戦直前、ふたりの人生がサン・マロで交錯する。短編集『シェル・コレクター』でデビューした著者の4年ぶりの新作長編。新潮クレスト・ブックスから邦訳刊行予定。

9. END OF WATCH    Down

Stephen King スティーヴン・キング

退職刑事ビル・ホッジズを主人公とした3部作の最終作。助手のホリーとともに探偵社を営むホッジズは、母親が四肢麻痺の娘を殺して自殺した事件に疑念を抱く。その娘は7年前の“ミスター・メルセデス”事件で重傷を負った被害者のひとりだった。

10. BEFORE THE FALL    Up

Noah Hawley ノア・ホーリー

ある夏の夜、11人の男女を乗せたプライベートジェット機がマサチューセッツ州沖の島からニューヨークをめざして飛び立ち、16分後に墜落する。生存者は画家と男児のふたりだけだった。犠牲者の素性や境遇がわかるにつれ、事故は仕組まれたものではないかという疑惑が深まっていく。

【まとめ】

新作は4位の“THE WOMAN IN CABIN 10”だけでした。これはルース・ウェアの2作目の小説で、デビュー作のベストセラー“IN A DARK, DARK WOOD”(2015年8月刊)は今週のペーパーバック部門で8位をキープしています。トップテン外では、14位にジョゼフ・フィンダー“GUILTY MINDS”(元特殊部隊員ニック・ヘラー・シリーズの第3作)、15位に人生を模索する女性を描いたジェーン・グリーンの“FALLING”、16位に《奥さまは魔女》や《ユー・ガット・メール》の脚本でも知られるデリア・エフロンの“SIRACUSA”がランクインしています。

国弘喜美代(くにひろ きみよ)

ランキングの10位に再浮上した“BEFORE THE FALL”を読んでいます。著者のノア・ホーリーは《BONES(ボーンズ)—骨は語る—》の脚本家として有名ですが、小説もこれで5作目です(邦訳はデビュー作の『大いなる陰謀』のみ)。2作目は哲学的恋愛小説、前作の“GOOD FATHER”は大統領候補を暗殺しようとした犯人の父親を描いた話題作と、毎回テイストはちがうものの、シニカルな語り口は共通しています。今作はデビュー作以来、久しぶりにミステリー色が強い話のようです。

それから、お礼とお知らせを。先日のミス・マープル読書会はおかげさまでにぎやかな会になりました。お世話になったカフェ・クリスティでは、今月もまだまだキッチン・ミス・マープルが開催されています。なお、次回の南東京読書会は、10月10日(祝日)の予定です。