アメリカのベストセラー・ランキング
9月25日付 The New York Times紙(ハードカバー・フィクション部門)
- 1. FAIRY TALE New!
Stephen King スティーヴン・キング
高校生のチャーリーは、丘の上の大きな屋敷に住む高齢の隣人バウディッチと親交を持つようになる。やがてバウディッチが亡くなるが、終生守ってきた秘密を吹きこんだカセットテープをチャーリー宛に残していた。裏庭の小屋に異世界への入口があるという。
- 2. DESPERATION IN DEATH New!
J.D. Robb J.D.ロブ
イヴ&ローク・シリーズの55作目。さらわれて、悪夢のような場所にとらえられていたドリアンとミナという少女ふたりが脱走する。ところが、ミナは逃げ遅れてバッテリーパークで死体となって発見される。ニューヨーク市警の警部補イヴは、ミナの服装から性目的の人身売買だと確信し、捜査をはじめる。
- 3. CARRIE SOTO IS BACK Down
Taylor Jenkins Reid テイラー・ジェンキンス・リード
テニス界の女王として君臨したキャリー・ソトは、数多の世界記録を打ち破り、グランドスラム優勝を20回も成し遂げて引退した。ところが彼女の記録は6年後に破られる。それを目の当たりにした37歳のキャリーは復帰を決意し、自身で記録を塗り替えてみせようとする。メディアが冷ややかな目を向けるなかで、元女王の一度きりの挑戦が始まる。
- 4. ALL GOOD PEOPLE HERE Stay
Ashley Flowers with Alex Kiester アシュリー・フラワーズ、アレックス・キースター
ジャーナリストのマーゴットが20年ぶりに故郷のワカルーサにもどると、まもなく隣人で5歳のナタリーが行方不明になる。20年まえにも、マーゴットと同じ6歳だったジャニュアリーが行方不明になり、のちに遺体で発見されていた。犯人は捕まってない。マーゴットはふたつの事件の真相を探ろうとするが、ナタリーの家族も町の人々も、なにかを隠しているような気がしていた。
- 5. THE MARRIAGE PORTRAIT New!
Maggie O’Farrel マギー・オファーレル
1550年代フィレンツェ。トスカーナ大公コジモ1世の三女、ルクレツィア・ディ・コジモ・デ・メディチの生涯について描いた作品。ルクレツィアは実在の人物で、記録によれば、16歳のときに結核で死んだということになっているが、夫に毒殺されたという噂がある。
- 6. THE 6:20 MAN Stay
David Baldacci デイヴィッド・バルダッチ
毎朝電車でマンハッタンの投資会社に通勤している“6時20分の男”デイヴァイン。ある朝、匿名のメールが届き、同僚で元恋人のセアラが自社の倉庫で首を吊って死んだことを知らされる。当局は、かつて陸軍の特別部隊にいたデイヴァインに目をつけ、捜査に巻きこんでいく。
- 7. CLIVE CUSSLER’S HELLBURNER New!
Mike Maden マイク・メイデン
オレゴン・ファイル・シリーズ第16作。オレゴン号はエーゲ海からインド洋に渉る国際的な麻薬密輸ルートを暴くことに。ファン・カブリーヨ船長は第三次世界大戦を引き起こしかねない核魚雷を持つ犯罪シンジケートと対峙する。
- 8. HELL AND BACK New!
Craig Johnson クレイグ・ジョンソン
目が覚めたとき、道に倒れていたとしたら? しかも血にまみれて、銃から弾がなくなっていたとしたら? その倒れていた場所が、1896年に寄宿学校の火災でネイティブアメリカンの少年31人が死亡したところだったとしたら? ワイオミング州の保安官ウォルト・ロングマイヤを主人公にした人気シリーズ第18作。
- 9. KILLERS OF A CERTAIN AGE New!
Deanna Raybourn ディアナ・レイバーン
ビリー、メアリー・アリス、ヘレン、ナタリーの女友達4人は40年間、エリート暗殺集団の一員として働いてきて、引退を意識する年齢に。4人は組織の費用持ちで豪華クルーズ旅行に出かけるが、変装した組織の人間を船内で見かける。ついに追われる側、命を狙われる側になったのだろうか。
- 10. THE INK BLACK HEART Down
Robert Galbraith ロバート・ガルブレイス
J・K・ローリングが別名義で執筆している私立探偵コーモラン・ストライク・シリーズの第6作。人気アニメのクリエイターがネット上で嫌がらせを受けたうえに、殺害される事件が起きた。嫌がらせをしていた謎の人物の身元を突きとめようと、ストライクと相棒のロビンは捜査に乗りだしたが、ビジネス絡みの諍いや家族間の揉め事など、様々な障壁が立ちはだかるのだった。
【まとめ】
今週は6作が新たにランクインしました。1位を奪取したのは、スティーヴン・キングの新作で、映像化が予定されているようです。2位はイヴ&ローク・シリーズの第55作で、53作目『偽りの信奉者』までが邦訳されています。5位は、ベストセラー『ハムネット』の著者、マギー・オファーレルの最新作。7位と8位には、長寿シリーズの最新作がはいりました。9位のディアナ・レイバーンは日本では未紹介の作家ですが、多くの作品を上梓しています。今作はユーモアあふれる小説のようです。
なお、トップ10以下の動きとしては、15位にアン・クリーブスの新作がはいっています。AXNのミステリドラマ『ヴェラ 信念の女警部』の原作で、シリーズ10作目となる作品です。
国弘喜美代(くにひろ きみよ) |
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訳書に、アビゲイル・ディーン『レックスが囚われた過去に』、ケイトリン・マレン『塩の湿地に消えゆく前に』など。
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