アメリカのベストセラー・ランキング

11月27日付 The New York Times紙(ハードカバー・フィクション部門)

 

  1. 1. DESERT STAR    New!

Michael Connelly マイクル・コナリー

ロサンゼルス市警で未解決事件捜査班を率いるバラードは、大物政治家の妹が殺害された古い事件を捜査することになった。同市警の元刑事ボッシュは、一家4人が惨殺された事件を引退後も調べつづけていた。それぞれの事件の犯人を突き止めるために、ふたりは協力する。

 

  1. 2. THE BOYS FROM BILOXI    Down

John Grisham ジョン・グリシャム

幼なじみのキースとヒューはミシシッピ南部のリゾートとカジノの街ビロクシで成長し、それぞれ父親の跡を継いでキースは法曹界、ヒューはマフィアの世界へとはいるが、やがてふたりは人生を賭けた裁判に巻きこまれ、法廷で対決することになる。

 

  1. 3. FAIRY TALE    Up

Stephen King スティーヴン・キング

高校生のチャーリーは、丘の上の大きな屋敷に住む高齢の隣人バウディッチと親交を持つようになる。やがてバウディッチが亡くなるが、終生守ってきた秘密を吹きこんだカセットテープをチャーリー宛に残していた。裏庭の小屋に異世界への入口があるという。

 

  1. 4. NO PLAN B    Down

Lee Child and Andrew Child リー・チャイルド、アンドリュー・チャイルド

リー・チャイルドと弟アンドリューの共同執筆による、ジャック・リーチャー・シリーズ第27作。コロラドで女性がバスに轢かれ、自殺と断定されたが、実は強盗殺人であることがわかる。同様の事件がまた起き、リーチャーは犯人を追いはじめるが、次々に不可解な事実が判明していく。

 

  1. 5. GOING ROGUE    Down

Janet Evanovich ジャネット・イヴァノヴィッチ

ステファニー・プラム・シリーズ第29作。保釈保証会社の古参であるコニーが誘拐され、ステファニーは誘拐犯からの電話を受ける。保釈金の担保として残されたコインと引き換えに、コニーを釈放するというが、肝腎のそのコインが見つからない。

 

  1. 6. TRIPLE CROSS    Down

James Patterson ジェイムズ・パタースン

刑事アレックス・クロス・シリーズ第30作。ワシントンDCで警備システムをかいくぐり、家族全員を殺害して、証拠も残さないシリアルキラー〝ファミリーマン〟。アレックスは捜査陣に加わるが、ベストセラー作家が被害者同士の共通点を見つけたと言う。

 

  1. 7. DREAMLAND    Down

Nicholas Sparks ニコラス・スパークス

かつて音楽の道を諦め、ノースカロライナ州で家業の農家を継いだコルビーは、旅先のフロリダ州で才能あるミュージシャン志望の女性モーガンと出会い、たちまち恋に落ちる。一方、6歳の息子を連れてDV夫のもとから逃げだしたベヴァリーは、夫の影に怯えながら苦しい生活を強いられている。そんな3人の運命が思いがけない形で交錯し――

 

  1. 8. MAD HONEY    Up

Jodi Picoult and Jennifer Finney Boylan ジョディ・ピコー、ジェニファー・フィニィ・ボイラン

元夫の暴力を逃れて、故郷のニューハンプシャーで父親から養蜂業を引き継いたオリヴィア。大学進学を控えた息子のアッシャーとの関係も良好で、シングルマザーとしての人生は順調だったかに見えた。そんな折、複雑な過去から逃れ、母親とともに町に引っ越してきた転入生のリリーが遺体で見つかり、アッシャーに殺人の容疑がかかる。

 

  1. 9. LESSONS IN CHEMISTRY    Up

Bonnie Garmus ボニー・ガーマス

1960年代のカリフォルニアで、才能豊かながら女というだけで化学者として正当に評価されていないと感じていたエリザベス。よき理解者に出会えたものの、やがてシングルマザーとなり、娘マッドと愛犬シックス・サーティーと暮らすうち、ひょんなことからテレビの料理番組のホストに起用される。いかにも化学者らしいユニークな料理用語や考え方が視聴者に受け、大人気となるが……

 

  1. 10. DEMON COPPERHEAD    Down

Barbara Kingsolver バーバラ・キングソルヴァー

アパラチアの山岳地帯のトレーラーハウスで産み落とされたデーモン・コッパーヘッドは銅色の髪を持つ少年で、貧困と薬物中毒に苦しみながらもさまざまな人々と出会い、自身の才覚で生き延びていく。チャールズ・ディケンズの『デイヴィッド・コパフィールド』を現代アメリカの過疎地帯に置き換えた作品。

 

 

【まとめ】

トップテン入りした新作は1作のみと、動きの少ない週になりました。初登場で首位を獲得したのはコナリーの人気シリーズ。『レイトショー』、『素晴らしき世界』、『鬼火』(いずれも古沢嘉通訳、講談社)などで活躍したレネイ・バラードが、ハリー・ボッシュとタッグを組んで難事件に挑みます。4位のジャック・リーチャー・シリーズは、第1作『キリング・フロアー』がアマゾンのプライムビデオでドラマ化されましたが、好評を受けてシーズン2の製作が決定しました。ストーリーのベースは第11作の“BAD LUCK AND TROUBLE”になる模様です。

 

青木創(あおき はじめ)

翻訳者。訳書に、L・チャイルド『奪還』、『宿敵』、D・ワッツ『偶然の科学』など。