アメリカのベストセラー・ランキング
7月16日付 The New York Times紙(ハードカバー・フィクション部門)
- 1. THE FIVE-STAR WEEKEND Stay
Elin Hilderbrand エリン・ヒルダーブランド
人気料理ブロガーのホリスは、心臓外科医の夫を交通事故で失う。ホリスは人生のさまざまな局面で会った人たち――子供のころの友達、大学時代のルームメイト、子育て時代のママ友、ブログのファン――をナンタケット島に集め、週末を過ごすことになる。
- 2. HAPPY PLACE Stay
Emily Henry エミリー・ヘンリー
ハリエットとウィンは理想のカップルだったが、5カ月前に別れてしまい、そのことを友人たちに言えずにいた。ふたりは夏に友人たちとメイン州のコテージで1週間の休暇を楽しむのが毎年の恒例行事になっていたが、まわりに気を使わせないため、今年はまだ付き合っているふりをして参加することを決める。
- 3. FOURTH WING Up
Rebecca Yarros レベッカ・ヤロス
ナヴァレ王国に暮らす20歳のヴァイオレットは父と兄の死をきっかけに、将軍である母の命でドラゴンライダー養成所に入ることに。エリート戦士であるドラゴンライダーになるべくしのぎを削るライバルたちのなかで、人より小柄で体の弱いヴァイオレットははたして過酷な選考を生き残れるのか――ファンタジーの新シリーズ第1作。
- 4. LESSONS IN CHEMISTRY Down
Bonnie Garmus ボニー・ガーマス
1960年代のカリフォルニアで、才能豊かながら女というだけで化学者として正当に評価されていないと感じていたエリザベス。よき理解者に出会えたものの、やがてシングルマザーとなり、娘マッドと愛犬シックス・サーティーと暮らすうち、ひょんなことからテレビの料理番組のホストに起用される。いかにも化学者らしいユニークな料理用語や考え方が視聴者に受け、大人気となるが……
- 5. THE COVENANT OF WATER Stay
Abraham Verghese エイブラハム・ヴァルギーズ
20世紀の南インドのケララ州を舞台に、ある一家の3世代にわたる物語をつづった大河小説。1900年、12歳の少女アマキは2歳の息子ジョジョを持つ40歳の男やもめのもとへ嫁ぐ。アマキは16歳で娘を出産するが、継子のジョジョは10歳のとき用水路で溺死してしまう。アマキの一家はその後も疫病や飢饉や政治動乱など多くの苦難に見舞われる。
- 6. PALAZZO New!
Danielle Steel ダニエル・スティール
両親の事故死により23歳でイタリアの高級革製品ブランドの経営を継いで以来、仕事一筋に生きてきたコージマ。38歳になった彼女は、放蕩三昧の弟がギャンブルで作った借金返済のため、一家がフィレンツェに所有するパラッツォ(邸宅)の売却を迫られるが、その渦中でフランスのハンドバッグ・ブランドの創業者オリヴィエと出会い、惹かれてゆく。
- 7. DEMON COPPERHEAD Stay
Barbara Kingsolver バーバラ・キングソルヴァー
アパラチアの山岳地帯のトレーラーハウスで産み落とされたデーモン・コッパーヘッドは銅色の髪を持つ少年で、貧困と薬物中毒に苦しみながらもさまざまな人々と出会い、自身の才覚で生き延びていく。チャールズ・ディケンズの『デイヴィッド・コパフィールド』を現代アメリカの過疎地帯に置き換えた作品。
- 8. ZERO DAYS Down
Ruth Ware ルース・ウェア
サイバーセキュリティの専門家として、システムの安全性の検証を仕事にしているジャックとその夫ゲイブ。ある夜、ジャックが仕事を終えて帰宅すると、ゲイブが死んでいた。警察から夫殺しの容疑者として追われながらも、ジャックは真犯人を突き止めようとする。
- 9. THE ONLY ONE LEFT Down
Riley Sager ライリー・セイガー
1983年、訪問介護員のキットはレノーラというひとり暮らしの老女の担当となる。レノーラは1929年に起こった一家殺害事件の有力な容疑者とされたが、証拠不十分で罪には問われなかった。現在は脳卒中の後遺症で口が利けなくなっており、タイプライターで意思疎通している。そしてある夜、キットにこう伝える――あなたにすべてを告白したい、と。
- 10. HELLO BEAUTIFUL Stay
Ann Napolitano アン・ナポリターノ
不幸な家庭で愛情を得られずに育ったウィリアムは、バスケットボール選手として遠方へ進学し家を離れた。大学で出会ったイタリア系のジュリアは、4姉妹と両親の深い絆で結ばれた家族のなかにウィリアムを招きいれるが、やがてそれぞれの思いはすれ違っていく。オルコットの『若草物語』へのオマージュをこめて描かれた家族の物語。
【まとめ】
今週の初登場は6位のダニエル・スティールの1作のみ。本コーナーがお休みだった先週、初登場でランクインした2作が今週もトップテン入りしています。先週4位だったルース・ウェアの“ZERO DAYS”が今週は8位。ウェアは『暗い暗い森の中で』(早川書房)、『第10客室の女』(アカデミー出版)が邦訳出版されています。先週6位だったライリー・セイガーの作品は今週9位。セイガーはこのところ毎年夏に新作を発表していて、邦訳は『すべてのドアを鎖せ』『夜を生き延びろ』(いずれも集英社)の2作が出ています。またベストテン外の14位には、伝記小説の名手マリー・ベネディクトと黒人作家のヴィクトリア・クリストファー・マレーの共著による“THE FIRST LADIES”が入りました。エレノア・ルーズベルト大統領夫人と、公民権活動家のメアリー・マクロード・ベスーンの友情を描いた物語とのことです。
満園真木(みつぞの まき) |
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東京在住の翻訳者。訳書は『噤(つぐ)みの家』、『完璧な家族』(ともにリサ・ガードナー/小学館文庫)、『死体は嘘をつかない 全米トップ検死医が語る死と真実』(ヴィンセント・ディ・マイオ、ロン・フランセル/東京創元社)、『アメリカン・プリズン――潜入記者の見た知られざる刑務所ビジネス』(シェーン・バウアー/東京創元社)、『ハーフムーン街の殺人』(アレックス・リーヴ/小学館文庫)など。
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