◆第50回 帰ってきたプロ集団、『S.W.A.T.』参上!◆

 
 お久しぶりです。よろずオタク系ライターの堺三保です。恥ずかしながらまたこのコラムを書かせていただくことになりました。
 よろしくお付き合いいただければ幸いです。
 
●『S.W.A.T.』第一話予告

 さて、再開第一回目で取り上げるのが、アメリカで11月末から始まった新番組『S.W.A.T.』です。実はこれ、1970年代半ばに放送され、たった2シーズンしか続かなかったものの、アメリカはもちろん日本でも多くのファンを生んだドラマ『特別狙撃隊S.W.A.T.』のリメイク版なのです。もしかしたら覚えておられる方もおられるかもしれませんが、このドラマ、2003年にもサミュエル・ジャクソンとコリン・ファレル主演で映画化されてます。あの時はオリジナル版からホンドー、ディーコン、ジム、TJといったキャラ名だけは引き継いでいたんですが、今回もその点は同じで、やはりオリジナル版からホンドー、ディーコン、ジム、そしてTJにかわってドミニクの4人のキャラ名だけは引き継がれています。
 
 もちろん、映画化の時と同じく、引き継がれているのはキャラの名前だけで、設定はオリジナル版から一新されています。特に今回は現代アメリカにおける社会状況を生々しく取り入れようとしているところが特徴です。
 主役のホンドーは、元々はSWATの一隊員だったのですが、ある捜査の最中、隊長が黒人少年を誤射してしまったため、黒人社会との摩擦を避けるため、先輩であるディーコンを差しおいて新隊長に指名され、悪戦苦闘の日々が始まる、というのが今回の設定なのです。扱う事件の犯人たちも、白人優位主義者たちや凶悪なギャング団など、現代的な犯罪者が次々に登場、SWATを苦しめます。
 ホンドーを演じるのは、『クリミナル・マインド』で一躍人気者になったシェマー・ムーア。かつての、頼れるお父さん的なホンドーとはひと味違う、若くて現役感溢れるホンドーを作り上げています。アメリカではすでに第2シーズン継続も決定していて、日本への上陸が今から楽しみです。


 さて、現代のロサンゼルスを舞台にしたアクションものといえば、なんといってもロバート・クレイスの私立探偵小説〈エルヴィス・コール〉シリーズでしょう。徒手空拳、、弱きを助け強きを挫く、今やすっかり少なくなってしまったハードボイルド探偵ものの伝統をしっかり守ってくれている、痛快な作品です。最近は東京創元社から最新作の『約束』が久々に翻訳されて嬉しかったですが、まだまだ未訳の作品も多いので、どんどん翻訳紹介が進むといいなあ。

堺三保(さかい みつやす)
  1963年大阪生まれ。『SFマガジン』、『映画秘宝』等に記事書いてます。また、訳書近刊にコミックス『インフィニティ・ガントレット』(小学館集英社プロダクション)。設定考証を担当したテレビアニメ『ダーリン・イン・ザ・フランクス』が2018年1月から放送中。同じく設定部分を担当したアニメ映画『ニンジャ・バットマン』も2018年公開予定。
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