2021年7月17日(土)20:00~22:00 オンライン福井読書会を開催しました。
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課題書は、コナン・ドイル作『シャーロック・ホームズの冒険』(角川文庫、創元推理文庫、光文社文庫など)言わずと知れた世界一有名な探偵ホームズもの。ドイルの初期作品12編が収録された短編集。

福井読書会らしくない(?)古典な課題書でしたが、ホームズ人気のおかげか、全国からいつもより多くの参加ご希望をいただき、初心者(世話人含む)もシャーロキアンも交えて16名で実施しました。

まずは、事前にお聞きしたみなさんのお気に入り作品の発表から。気になるトップ3は……

3位 ボヘミアの醜聞/ボヘミア王のスキャンダル(4票)
   まだらの紐/まだらのひも(4票)

2位 青いガーネット/青い柘榴石(5票)
   赤毛組合/赤毛同盟(5票)

1位 唇のねじれた男/くちびるのねじれた男(6票)

いずれも僅差でしたが、1票以上の得票があったのは10作品(15名による回答、複数回答あり)どれもそれぞれ魅力的で甲乙つけがたいですね~

その後2グループに分かれ、お気に入りを中心に語っていただきました。熱い夏の夜、みなさんのコメントも熱かった~一部ご紹介します。

つっこみどころ満載、でも当時にしたら斬新なトリック。勧善懲悪というより、あいまいな感じで終わる作品が多い。アドラー(「ボヘミアの醜聞」)かっこいい♡ 元祖バディもの。キャラ萌え小説。映像から入ったという人からは、原作を読んでホームズのイメージが一変したとの声も(ホームズはこんなに体張ってたんだ!)。ヘビはミルク飲むの?(これに対してはシャーロキアンからご回答)最高のクリスマス・ストーリー!(青いガーネット)。コントみたいで思わず大笑いした(唇のねじれた男)。王族や貴族への態度が辛辣。娘の金をあてにして結婚を妨害する父親が多い!(などなど)

過去にホームズもので開催された、弘前、岐阜読書会での話題も共有していただき、両読書会に参加された翻訳者日暮雅通さんからのお話がたいへん印象的でした。
弘前読書会(2016年5月) レポート(前半)
岐阜読書会(2020年2月) 開催案内  

ホームズは幼少時以来だったという人も、ホームズに詳しい人も、あらためて読み直してみると新たな気づきが多くあったようです。つっこみどころもまた魅力的で、まだまだ語りつくせずといった感じ……個人的には、シャーロキアンの面々のおかげで、だれにも聞けずにいた疑問が解消されすっきり。最終的に「やっぱりホームズは深い~」というところで落ち着いたような気がします。古典ミステリー最強! ご参加いただいたみなさん、どうもありがとうございました。

次回の福井読書会は9月4日(土)に開催します。
課題書はマイケル・ロボサム作/越前敏弥訳『天使と嘘』(ハヤカワ・ミステリ文庫 上・下巻)

7月31日募集開始~ご参加お待ちしています!

福井翻訳ミステリー読書会世話人
藤沢 一弘(ツイッターアカウント @shaolon_wang
長岡 亜生(ツイッターアカウント @autumn_ng

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