せんだい探偵小説お茶会は、課題図書に「グリーン家殺人事件」を選び、一月十九日、市内のとある一室で、開かれました。

新年一回目から参加していただいた皆様、まことにありがとうございました。残念ながら都合が合わなかった方、次回以降の 読書会でお待ちしております。

さて、今回の読書会を一言で表すなら、「グリーン家は、いかに解体されたか?」でしょうか。

色違いだろ!などといったお叱りを承知で続けますと(笑)、ミステリとしての完成度から、心躍ったシーン、矛盾点に、ジュブナイル版や、後に発表された他作家の作品との相違、関連まで幅広く、活発な議論が交わされ、ミステリ初心者の方はもちろん、マニアの方にとっても、有意義な時間であったように思います。

「初めて買った文庫本が、グリーン家で……」、「初めて読んだのが、小学生(中学生)の頃で……」という方もいらっしゃり、今回の読書 会に向けての再読で、初読の際とは、異なる 感想を抱いたとの声も。

おやつを頬張り、和気あいあいとした雰囲気の中での、それぞれの踏み込んだ主張は、『読者の挑戦』を境に、数々の謎が積み上げられた事件という山(ある意味、ヤマですね)を論理的に崩す、解体していく探偵の推理のよう でもあり、それでいて、独自の主張が飛び出すこともあるのですから、読書は一人でできますけれど、読書会は、やはり大勢で行うのが楽しいですね。

作家によっては、いまだに新版、新訳が出てこない作品もある中、それでも多くの翻訳作品が本屋に並んでおり、いずれこの「グリーン家」 も、姿を変え、新たに出版されるかもしれません。

人間関係と同じく 、どの本を手にするかは、縁があるか、ないかで決まってくるのかもしれませんが、翻訳作品も含め、小説を読むという行為は、その人の心を潤し、記憶に残るものだと個人的には思います。

そういう体験を、一冊でも多くしたいと思えた今回の読書会でした。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

せんだい探偵小説お茶会 暮尾

第6回(シンジケート後援第1回)せんだい探偵小説お茶会レポート(課題書『死の扉』)

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