第23回 せんだい探偵小説お茶会主催

(翻訳ミステリー大賞シンジケート後援)

カーター・ディクスン『ユダの窓』読書会

 当読書会の課題書(翻訳の部)を振り返ってみると、クリスティー、 バークリー、レオ・ブルース、シリル・ヘアー、ヴァン・ダイン、フィルポッツ、ガストン・ルルー……とハッキリ古典路線を歩んできましたが(例外はジル・チャーチルとドン・ウィンズロウ)、中でもエラリー・クイーンは三回にわたり6冊を取り上げるという偏重ぶり。ここはクイーン・ファンクラブ仙台支部か? いやいや、私のようなクイーン嫌いも交じっているのだからそんな筈はない。それにしてもクイーンの突出ぶりは目に余るものがある。それも、常にクイーンと並び称されるディクスン・カー(カーター・ ディクスン)は一顧だにされていないという状況においてをや。

 かくしてカーを取り上げる機会を虎視眈々と窺っていた私ですが、ついにその時が来ました。カーの代表作の一つにして、オールタイムベスト級の傑作との呼び声も高い『ユダの窓』の新訳版が刊行されたのですから、これを逃す手はありません。

 こんなお話——

 ジェームズ・アンズウェルは、結婚の許しを乞うため恋人の父親エイヴォリー・ヒュームを訪ねた。勧められるままに飲み物を口にした彼は、意識を失ってしまう。やがて目を覚ました彼が見たものは、胸に矢を受けて事切れているヒュームの姿だった。完全な密室と化した部屋の中にいるのは、死体と自分だけ……。

 殺人容疑で裁かれる彼を弁護することになったヘンリ・メリヴェール卿曰く、「ドアは確かに、きっちり閉まって亀裂もなく、差し錠が掛かっておった。……外から開け閉めできるように細工した者はおらん。……壁のどこにも、隙間や亀裂、ねずみ穴さえなかった。……犯人はユダの窓から出入りしたんじゃ」

 どんな部屋にも存在しながら誰にも気づかれることのない不思議な出入口——「ユダの窓」とは何か?

 さあさ、お立ち会い、初めての人も寄っといで、これがカーだよ、カーの密室物だよ、密室物の代表作だよ、さらにはスリリングな法廷物であり、極上のフーダニットでもあるんだよ、面白いよ、ソンはさせないよ、とにもかくにも乞御一読。

開催日 :2015年12月19日(土)

場 所 :戦災復興記念館 4階第1会議室

    (宮城県仙台市青葉区大町2丁目12−1)

時 間 :15時30分〜17時30分

定 員 :15名

課題図書:カーター・ディクスン『ユダの窓』

参加費 :一般 500円  学生 無料

参加方法:氏名・連絡先を明記のうえ、sendai.mystery@gmail.com までご連絡ください。

 読書会終了後に懇親会を予定しておりますので、お時間に余裕のある方は是非ご参加を検討ください(別会費、自由参加です)。

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