田口俊樹
突然ですが、『日々翻訳ざんげ――エンタメ翻訳この四十年』絶賛発売中です。よろしく!
(たぐちとしき:ローレンス・ブロックのマット・スカダー・シリーズ、バーニイ・ローデンバー・シリーズを手がける。趣味は競馬と麻雀)
白石朗
おなじくHBO製作&スターチャンネル放映のドラマ《アウトサイダー》の原作、スティーヴン・キング『アウトサイダー』が今月下旬に刊行されます。酸鼻をきわめた少年凌辱殺害事件が発生、警察は絶対確実な物的証拠をもとに容疑者を逮捕しますが、この容疑者にはまた反証不可能な鉄壁のアリバイがあったのです。しかもこの事件は痛ましさのきわみのような悲劇の連鎖を引き起こし……というキング流儀のノンストップ・ミステリー。どうぞお楽しみに。
(しらいしろう:老眼翻訳者。最近の訳書はスティーヴン・キング&オーウェン・キング『眠れる美女たち』。〈ホッジズ三部作〉最終巻『任務の終わり』の文春文庫版につづいて不可能犯罪ものの長篇『アウトサイダー』も近刊予定。ツイッターアカウントは @R_SRIS)
東野さやか
(ひがしのさやか:最近のおもな訳書はクレイヴン『ストーンサークルの殺人』、フェスパーマン『隠れ家の女』。その他、ジョン・ハート、ウィリアム・ランデイ、ニック・ピゾラット、ローラ・チャイルズなどを翻訳。ツイッターアカウント@andrea2121)
加賀山卓朗
(かがやまたくろう:デニス・ルヘイン、ロバート・B・パーカー、ディケンズなどを翻訳。昨年末は、ジョン・ル・カレの訃報が胸にこたえました)
上條ひろみ
シリーズ十五作目となるM・C・ビートンの『アガサ・レーズンの探偵事務所』(羽田詩津子訳/コージーブックス)は、おもしろさMAXで、読みはじめたら止まらない。ヘンなキャラが目白押しで、アガサが普通に思えるほどだし、謎解きもバッチリ。ちなみに現在、「みんなでアガサ・レーズン応援企画」として、「わたしが好きなアガサ・レーズン三冊」のツイートを募集中だそうです(詳しくは訳者あとがきをごらんください)。どれもおもしろいから、選ぶのはなかなかむずかしそう。
(かみじょうひろみ:英米文学翻訳者。おもな訳書はジョアン・フルークの〈お菓子探偵ハンナ〉シリーズ、ジュリア・バックレイ『そのお鍋、押収します』、カレン・マキナニー『ママ、探偵はじめます』など。最新訳書はハンナシリーズ第21巻『ラズベリー・デニッシュはざわめく』)
高山真由美
オーストリア山中の厳しい自然のなか、山の斜面にへばりつくような家で暮らす男の一生が淡々と語られていくだけなのに面白い。自然の描写と主人公の内面が絶妙にマッチしているところがちょっと『ザリガニの鳴くところ』を思いださせる(お話そのものはまったくちがいますけども)。文章を目で追ってるだけで幸せな本で、新刊と呼ばれる時期は外してしまったけれど、いいタイミングで読んだなあと思ったことではありました。
(たかやままゆみ:最近の訳書はサマーズ『ローンガール・ハードボイルド』、ブラウン『シカゴ・ブルース(新訳版)』、ベンツ『おれの眼を撃った男は死んだ』など。おうち筋トレはじめました。ツイッターアカウントは@mayu_tak)
武藤陽生
今年はゲーム翻訳で100万ワード超のチェック、小説2冊の翻訳が決まっていて、始まったばかりなのにもう死にそうです。『指輪物語』が57万ワードと言われていますから、その2倍の量をチェックしなければならず… さらに小説2冊で20万ワードの翻訳… こうなると自分が来年生きているかどうかもわかりませんが、こういう無茶をするのは今年で最後にしたいなと思います。
年末年始はマイクロソフトの『フライトシミュレーター2020』をプレイして遊んでいたのですが、アップデートが入り、イギリスとアイルランドのシーナリー(建物や風景のデータ)が詳細になったというので、久々にプレイしてみました。飛ぶ地点はもちろん、ショーン・ダフィ・シリーズ次作『レイン・ドッグズ』で密室の舞台となるキャリックファーガス城です!
キャリックファーガス上空。飛行機の下に見えている沿岸道路が、ショーンがよくBMWを走らせているA2です。
そしてこちらの画面下部に写っている建物がキャリックファーガス城!……いや、再現性低いですね……こんなところにも北アイルランドの悲哀を見た気がします。
(むとうようせい:エイドリアン・マッキンティの刑事ショーン・ダフィ・シリーズを手がける。出版、ゲーム翻訳者。年末にハイスペックのノートPCを買って『サイバーパンク2077』や『マイクロソフト フライトシミュレーター』で遊んでいました)
鈴木 恵
(すずきめぐみ:働きものの翻訳者・馬券散財家。映画好き。最近のおもな訳書は『ザ・チェーン』『拳銃使いの娘』『その雪と血を』など。ツイッターアカウントは @FukigenM)