今月もこんにちは! なんか3月から4月にかけて面白い本が大量に出てませんか!? というわけで今回はロングバージョンです!
*今月の思い出本*
アレン・エスケンス『あの夏が教えてくれた』(務台夏子訳/創元推理文庫)
*今月のイヤ度炸裂本*
ネイサン・オーツ『死を弄ぶ少年』(山田佳世訳/ハヤカワ文庫)
*今月の台風直撃本*
ジャナ・デリオン『嵐にも負けず』(島村浩子訳/創元推理文庫)
*今月のユーモア・コージー本*
イアン・ファーガソン&ウィル・ファーガソン『ミステリーしか読みません』(吉嶺英美訳/ハーパーBOOKS)
*今月のウルトラ問題作本*
ダン・マクドーマン『ポケミス読者よ 信ずるなかれ』(田村義進訳/ハヤカワミステリ)
*今月のイチオシ本*
スティーヴン・キング『ビリー・サマーズ』(白石朗訳/文藝春秋)
1941年、戦時下の上海では多くのスパイたちが暗躍していました。中華民国政治保衛部のフー(トニー・レオン)と部下のイエ(ワン・イーボー)らも、身辺調査、尋問、奇襲といった諜報活動を行い、祖国のために命をかけて諜報活動に勤んでいましたが、その中には上海に駐在する日本軍のスパイと通じている二重スパイがいたのです。
誰が味方で誰が敵なのか。読み違えれば命を落とす究極の心理戦、常に背後に気を配らねばならない緊張の連続、裏切りと報復。痛快とは無縁の非情な諜報活動に従事する名もなきスパイたちを描いた本作は、過去と現在を行き来しながら、複雑な物語を緻密に紡いでいきます。スクリーンに映し出される1940年代の上海の街並みの幻想的な美しさや、細かいところまで手を抜かない美術や小道具、衣装の見せ方など、ヴィジュアル的にも大変見どころがある作品です。中国映画界最高の賞である金鶏賞で最多ノミネートされ、トニー・レオンが最優秀主演男優賞、チェン・アル監督が最優秀監督賞・編集賞を獲得したノワール映画の逸品をぜひ。
作品タイトル:『無名』
公開表記:5月3日(金・祝)よりヒューマントラストシネマ有楽町、シネマート新宿ほか全国順次公開
コピーライト:Copyright 2023 © Bona Film Group Company Limited All Rights Reserved
監督:チェン・アル
出演:トニー・レオン ワン・イーボー ホアン・レイ 森博之 チャン・ジンイー ジョウ・シュン
・2023年/中国/131分/1.85:1
・中国語・広東語・上海語・日本語/カラー/5.1ch
字幕:渡邉一治
配給:アンプラグド
■オフィシャルサイト&SNS
公式サイト:https://unpfilm.com/mumei/
作品公式X(旧Twitter):https://twitter.com/mumeimovie
映画配給会社アンプラグド公式Instagram:https://www.instagram.com/unplugged_movie/
映画配給会社アンプラグド公式Facebook:https://www.facebook.com/unpfilm.inc/
■映画『無名』予告編 2024年5月3日(金・祝)より全国順次公開■
♪akira |
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翻訳ミステリー・映画ライター。月刊誌「本の雑誌」の連載コラム〈本、ときどき映画〉を担当。2021年はアレックス・ノース『囁き男』(菅原美保訳/小学館文庫)、ジャナ・デリオン『ハートに火をつけないで』(島村浩子訳/創元推理文庫)の解説を書きました Twitterアカウントは @suttokobucho 。 |