書評七福神とは翻訳ミステリが好きでたまらない書評家七人のことなんである。

 この連載が本になりました! 『書評七福神が選ぶ、絶対読み逃せない翻訳ミステリベスト2011-2020』(書肆侃侃房)は絶賛発売中です。

 (ルール)

  1. この一ヶ月で読んだ中でいちばんおもしろかった/胸に迫った/爆笑した/虚をつかれた/この作者の作品をもっと読みたいと思った作品を事前相談なしに各自が挙げる。
  2. 挙げた作品の重複は気にしない。
  3. 挙げる作品は必ずしもその月のものとは限らず、同年度の刊行であれば、何月に出た作品を挙げても構わない。
  4. 要するに、本の選択に関しては各人のプライドだけで決定すること。
  5. 掲載は原稿の到着順。
  6.  

 

千街晶之

『エイレングラフ弁護士の事件簿』ローレンス・ブロック/田村義進訳 

文春文庫

 九月は年間ベストテン狙いの力作・秀作が次々と刊行されたけれども、巨匠ローレンス・ブロックの短編集『エイレングラフ弁護士の事件簿』が飛び抜けていたという印象だ。連作の主人公マーティン・H・エイレングラフは悪徳弁護士――といっても、法廷で勝つために非常識な手段も弄するが実は心の奥底に熱い正義を秘めたタイプでは決してないし、単なる守銭奴弁護士でもない。彼は高い成功報酬を要求する代わり、依頼を引き受ければどんなに怪しい被疑者でも必ず無罪にする。そもそも、裁判が始まる前に事態を決着させる場合が大部分なので、連作に法廷シーンのある作品が一篇もない。まるで手品のようだが、大抵の依頼人はその種明かしを「聞かなければ良かった」と思うに違いない。どんなに目的のためには手段を選ばないタイプでも、普通は「そこから先はやってはいけない」という倫理的ブレーキが働くものだが、エイレングラフにはそんなブレーキは存在しないのだ。普通に描けば不快なキャラクターになりそうなところ、ドライで軽快なタッチなので痛快な印象すら残るあたり、ブロックの短篇巧者としての実力がフルに発揮されている。麻耶雄嵩作品に登場するメルカトル鮎に唯一勝てそうなダークヒーローの活躍ぶりを堪能していただきたい。

 

酒井貞道

『死はすぐそばに』アンソニー・ホロヴィッツ/山田蘭訳 

創元推理文庫

 名探偵の助手が、名探偵が関与して助手はタッチしていなかった過去の事件を語る。ホームズの時代からあるこの形式に、ホーソーン・シリーズも遂に手を出した。語り手ホロヴィッツは、ホーソーンが解決(?)した、五年前の殺人事件の資料を渡されて、それを小説へまとめていく。恐らく無味乾燥なのであろう資料から読み取った事柄を小説化していく以上、事件の実相と小説との間にはどうしても差が出てくる。この点がじわじわ利いてくるのにまず感心した。次に感心したのは、助手が名探偵の過去の事件を記述するという「よくある」パターンそのものを、本格謎解き小説としての作品の特徴そのものに昇華している点だ。ネタバレを避けるため曖昧に書かざるを得ないのだが、この構造の作品でなければ演出できない「事件の見せ方」が行われている。そしてそれは、ホロヴィッツ一流の、綿密にしてあからさま、にもかかわらず解明場面まで読者が真相に気付くことは難しい、絶妙なバランスの伏線配置に裏打ちされるのである。秋口恒例のホロヴィッツ新作刊行、今年も素晴らしかったです。

 

上條ひろみ

『死はすぐそばに』アンソニー・ホロヴィッツ/山田蘭訳 

創元推理文庫

 みんな大好きホロヴィッツだけど、個人的にはどちらかというと〈ホーソーン&ホロヴィッツ〉シリーズより『カササギ殺人事件』『ヨルガオ殺人事件』のほうが好きなんですよね。探偵(の補佐)役として登場する作家自身がやたらと自意識過剰なのがちょっと苦手で……そこがいいという方も多いとは思いますが。でもシリーズ五作目となる『死はすぐそばに』では「えっ、なんで?」と思うほどそれが気にならず、物語に集中できました。解き明かすのが現在進行中の事件ではなく過去の事件、しかもふたりが出会うまえの事件なので、ホロヴィッツ自身が登場しないため、三人称視点で書かれている部分が多いからかも。二〇一四年にとある住宅地で起きたご近所トラブルをめぐる事件で、ホーソーンは以前の相棒とともに警察の捜査をサポート。二〇一九年現在、ホロヴィッツは当時の資料をもとに物語を書き進めていきますが、実は事件はまだ解決していなくて……とにかく徹底的にフェアで、最後まで意外性に満ちた、最高レベルの謎解きミステリです。密室ミステリについての考察(最高の密室ミステリは日本から生まれている)も楽しい。

 本命がホロヴィッツとすると、対抗はR・J・エロリー『弟、去りし日に』(吉野弘人訳/創元推理文庫)。弟を殺された保安官が、自らの過去と向き合いながら、凄惨そのものの事件の真相を追います。設定が一九九〇年代初頭で、ひたすら関係者のもとに出向いて話を聞くというスタイルの捜査方法がかえって新鮮。ハードボイルドでありながらエモーショナルで、初期のルヘイン作品を思わせます。とくに会話がいい。姉のような保安官事務所の受付のバーバラとのやりとりがすてきです。

 歴史小説家で友人のジェイニー・チャンとコラボした、ケイト・クインの実話に基づく歴史ミステリー第五弾『不死鳥は夜に羽ばたく』(加藤洋子訳/ハーパーBOOKS)もよかった。好きなんですよね、ケイト・クインのシスターフッドもの。一九〇六年のサンフランシスコ大地震を軸に、持病のためなかなか日の目を見ないオペラ歌手と、貧しい中国人のお針子、自由奔放な画家、ひたむきな植物学者が出会う。苦境をバネにして戦うヒロインたちの強さがすがすがしく、読んでいると元気をもらえます。チャイナタウンの詳細な描写も読み応えあり。

 

川出正樹

『死はすぐそばに』アンソニー・ホロヴィッツ/山田蘭訳 

創元推理文庫

 読者が謎解きミステリを心ゆくまで堪能できるように作品を作り込む手際の巧みさという点でアンソニー・ホロヴィッツは別格と言っていい。その際、外連もギミックも用いず、現実世界と地続きな作品世界で、入念に細工を施し細部まで心を配ることに徹している。謎と解明という体幹が堅固なので、飛び道具など必要ではないので。その上、本格愛がほとばしるあまり趣味に突っ走ったり、読者となれ合って甘えたりは決してしない。読者をもてなすとはどういうことかをしっかりと心得ている職人の技であり、とりわけ《ホーソーン&ホロヴィッツ》シリーズはその色合いが濃い。

 毎回趣向を変えて饗してくれるホロヴィッツがシリーズ五作目となる『死はすぐそばに』で舞台に選んだのは、ロンドンの高級住宅街にあるゲーテッド・コミュニティ。昔の英国の村をイメージした六軒の家で暮らす富裕層の中で起きたクローズド・サークルものだ。本道中の本道ともいえる設定だが、過去四作とは異なり現在進行中ではなく既に解決済みの過去の殺人事件をホーソーンから随時提示される報告書を元にホロヴィッツが推理しながら本を書きすすめる、という体裁を取っている点がミソ。ちょっと調べればホロヴィッツにも結末は解ると思いきや、そう単純には行かないところが心憎い。この設定を逆手に取って、中盤、フェーズが変わるような出来事がおきるのだけれど、これには驚いた。しかも、「言われてみればその通りだけれど、そこは盲点だった」という、ミステリ好きにとっての共通認識というか了解事項にあらためて光を投げかけて予想外かつ納得のいく解決を提示する手際には本当に舌を巻く。やはり別格だな、ホロヴィッツ。

 今月、『死はすぐそばに』に迫る面白さだったのが、この二冊。謎の兇器による連続猟奇殺人の解決に執念を燃やす曰く付きのコンビが、捜査線上に浮かぶ一見して繋がりの見えないおぞましく歪んだ数々の事実を同時に成立させる異様な真相を暴き出す、法螺話寸前のビザールなフランス流ジェットコースター・スリラーの第一人者ジャン=クリストフ・グランジェの面目躍如たる『ミゼレーレ』(平岡敦訳/創元推理文庫)。初登場作『ウォッチメイカー』から十七年、再三にわたってリンカーン・ライムを窮地に陥れてきた天才犯罪プランナー・ウォッチメイカーが、名探偵との闘いに決着をつけるべく仕掛けた過去最高に複雑精緻な“大魔術(イリュージョン)”で読者を翻弄するジェフリー・ディーヴァー『ウォッチメイカーの罠』(池田真紀子訳/文藝春秋)。どちらもボリュームたっぷりな物語を、緩急の付け方とカードさばきの巧さで中だるみすることなく一気に読ませる極上のエンターテインメントだ。

 

吉野仁

『死はすぐそばに』アンソニー・ホロヴィッツ/山田蘭訳 

創元推理文庫

〈ホーソーン&ホロヴィッツ〉シリーズの第五作『死はすぐそばに』は、既刊の四作ですっかりスタイルも出来あがった……と思いきや、これまでとはまた異なる形で幕を明け、容疑者となるそれぞれの描き方が巧くて読ませられ、しかもロンドンの高級住宅街で起きたメインとなる犯人さがしとは別に、中盤からいろいろと怪しい謎をめぐって展開するサイドストーリーもたまらなく面白いという贅沢なもの。予想の斜め上を行くだけでなく、今後の行方がどうなるのかまで愉しませてくれるなんて、最高すぎる。「いまさら」と言われようとこれは今月の一作に挙げざるをおえない。期待を裏切らず、その上の上を愉しませてくれるということでは、リンカーン・ライム最新作となる、ジェフリー・ディーヴァー『ウォッチメイカーの罠』もまちがいない。高層ビル建設現場で大型クレーンが倒壊した事件が起こる。犯人はかの「ウォッチメイカー」。こちらも予想をくつがえす展開となることは分かっているのに翻弄され裏をかかれ騙され、クライマックスに至るまですでに圧倒されっぱなしの大作だ。そしてもうひとつの注目作は、表からも裏からも愉しめる異色の「テート・ペーシュ」形式で書かれたガレス・ルービン『ターングラス ─鏡映しの殺人─』。1881年に英国エセックスの島にある館で起きた奇怪な事件と1939年のカリフォルニアで起きた作家の自殺事件の二作がそれぞれ作中作のように入れ込まれているという凝った形の物語だ。それだけに互いの物語の関係の理解もややこしく、確かに読む順番で印象は異なるかもしれない。単行本では、アラン・フラド『リスボンのブックスパイ』も読みごたえ十分だった。第二次世界大戦か、ニューヨーク公共図書館で働く司書の女性が任務をおび、リスボンで枢軸国の刊行物をひそかにあつめてマイクロフィルムにおさめる、という「ブックスパイ」の活躍を描いたもの。なのだが、ヒロインは思った以上に大胆なスパイ活動と果敢な行動をみせていく。単に書物の収集に終わらず、戦争冒険スパイ小説としての展開もある。文庫では、R・J・エロリー『弟、去りし日に』も妙な外連味に頼らずしっかりと読ませる味わい深い作品だった。舞台はアメリカ南部、疎遠だった弟が亡くなり、その不審な死を探る保安官の兄という本筋、その兄は弟の娘(姪)と親しくなっていくという挿話も、よくあるストーリーかもしれないが、主人公はじめ登場人物ひとりひとりの陰影がしっかりと描かれているうえに、さらに連続少女殺人事件が浮上し、主人公は真相をもとめて奮闘するという展開に緩みはない。ローレンス・ブロック『エイレングラフ弁護士の事件簿』は、どんな被告人も絶対に無罪にしてみせる弁護士エイレングラフを主人公にした短篇12作が収録された最高の作品集。まるでわずかな線とその強弱で花鳥風月をさっと絵におさめる日本画の名匠のごとく、こよなく詩を愛する主人公が無罪を勝ち取ってみせる姿を無駄なくみごとに物語る。さすがブロック。無罪を勝ちとるといえば、当然こちらはまっとうな手段で行うわけだが、マイクル・コナリー『復活の歩み リンカーン弁護士』は、弁護士ミッキー・ハラーを主人公とした法廷サスペンスで、夫殺しの罪で服役している女性を救う物語。かのハリー・ボッシュもかなりボロボロの老体ながら準主役として活躍する。バディものといえば、ジャン=クリストフ・グランジェ『ミゼレーレ』もまたベテランの持ち味を存分に出しきった面白さ。聖歌隊の少年たちをめぐる謎、南米のナチの残党の研究と、グランジェらしい外連を次々とくりだすだけでなく、定年退職した刑事と薬物依存で休職中の若い刑事というふたりの物語を意外なかたちでぐいぐいと読ませていく。ベテラン巨匠といえばキングを忘れてはならない。スティーヴン・キング『コロラド・キッド他2篇』は、表題作の「コロラド・キッド」そして「ライディング・ザ・ブレット」という長らく入手困難だった作品に初翻訳の中篇「浮かびゆく男」を加えたオリジナル中篇集。ファンならずとも読むとキングの面白さはもちろん、妙な不可解さも味わうことで、ますます虜になるはずだ。ケイト・クイン&ジェイニー・チャン『不死鳥は夜に羽ばたく』はミステリというよりもまずは場所と時代とヒロインたち、すなわち20世紀初頭のサンフランシスコのチャイナタウンにおける、売れないオペラ歌手、絵描き、植物学者(まるで牧野富太郎の米国女性版)、お針子の四人が繰り広げるドラマが面白かった。そこにかの大災害が起こるのだ。クレマンス・ミシャロン『寡黙な同居人』は、監禁された女性を中心に、監禁犯、その娘、そしてもうひとりの女性をめぐる物語で、それぞれの視点から思わせぶりに語られていくサスペンス。コリン・オサリバン『サニー』は、夫と息子を飛行機事故で失ったヒロインが、夫の開発した家庭用ロボット「サニー」と日本で孤独に暮らしていたが、あるときロボットに関する「ダーク・マニュアル」の存在を知る、というかなりの異色スリラーだ。最後はポケミス9月刊、リチャード・コールズ『殺人は夕礼拝の前に』は、英国国教会の司祭が主人公で、教会にトイレを設置するかで意見がふたつに分かれた村で起きた殺人をめぐるものだ。地主一族の争いなど、いかにも地方が舞台のミステリらしい展開となっている。

 

霜月蒼

『エイレングラフ弁護士の事件簿』ローレンス・ブロック/田村義進訳 

文春文庫

 近年まれに見る苦悩の月だったように思う。定番のホロヴィッツの『死はすぐそばに』は新機軸だし、ディーヴァー『ウォッチメイカーの罠』は十数年ぶりの宿敵との正面対決。グランジェ『ミゼレーレ』も名作『クリムゾン・リバー』を思い出させたし、『ターングラス 鏡写しの殺人』のギミックは大好物だ。いずれも年間ベストに推せる。

 困ってしまったので個人的な偏愛ファーストで選んだのが『エイレングラフ弁護士の事件簿』である。いつも洒落たスーツに身を固め、食にうるさいヴェジタリアンというスノッブな感じの小柄な弁護士エイレングラフを主人公とする短編12編が収められている。どう見ても有罪な案件ばかりをエイレングラフは引き受けるが、どの案件でも依頼人は無罪となる。報酬は法外だが、みんな必ず放免となる。しかも本書には法廷シーンはない。エイレングラフは「弁護」をしないのだ。ならば彼は何をしているのか、というのは1編目「エイレングラフの弁護」を読むとわかる。超絶ブラックです。

 現代随一の短編の名手ブロックのキレキレの職人芸を堪能できます。アメリカの短編ミステリが隆盛を極めていた時代の粋を現代に味わえるという点でも個人的に大好物でした。

 

杉江松恋

『エイレングラフ弁護士の事件簿』ローレンス・ブロック/田村義進訳 

文春文庫

 前作で少し調子を落としたかに見えたホロヴィッツが『死はすぐそばに』で復調したのは嬉しいし、ディーヴァー『ウォッチメイカーの罠』はシリーズものならではの娯楽を与えてくれた快作であった。ミステリーとは言い難いが国書刊行会スパニッシュ・ホラー文芸第三弾であるサマンサ・シュウェブリン『救出の距離』は異常な迫力のある作品でぜひ多くの人に読んでもらいたい。また上下さかさまの物語が二つくっついてできているガレス・ルービン『ターングラス』はその趣向から、何が起きるかわからないサスペンスまで何もかもが美味しい作品であった。こういう趣向の本をテート・ベーシュというんだって。知らなかった。この二冊は翻訳者である宮﨑真紀、越前敏弥両氏の労苦も讃えるべきだろう。素晴らしい仕事をありがとう。

 これらの作品と迷ったのだけど、やはりローレンス・ブロックを推さざるをえないかな、と思う。『エイレングラフ弁護士の事件簿』、自分で解説を書いた本なのだけど許していただきたい。どんな依頼人も絶対無実にしてしまうという異能の弁護士を主人公にした連作集だ。無罪ではなく、無実であることに注目。起訴が取り下げられたり、犯罪を構成する実体そのものがなくなったり、とにかく依頼人に刑事裁判への出廷という苦行を強いることなく問題を解決してしまうのだ。凄腕というだけでは済まない奇跡の弁護士と呼ぶべきであろう。で、いったいどんな手を使ったのか、というあたりから話はきな臭くなっていく。

 これまでアンソロジーなどへの収録はあったが、エイレングラフものがまとめて読める機会というのはなかった。連続して読むことでローレンス・ブロックという作家の手癖に関する発見もあり、いちだんと理解が深まってくる。ブロックはエドガー賞の短篇賞を四度も受賞するという他に類例のない栄誉の主だが、『短編ミステリの二百年』で小森収は、ブロックが優れているというよりは他の作家が劣化したのだ(大意)と喝破した。それは正しいと思うが、ブロックが短篇小説黄金時代に培った語りの技法を駆使することのできる、現在では稀有な存在の作家であるという事実は動かない。本書ではエイレングラフ弁護士が初めは完全に平面的なキャラクターであったのが、次第に立体性を帯びていくという経過を確かめることができる。なるほどブロックは長い執筆歴の間にキャラクター小説の書き手として成熟したのだな、と再発見した次第である。関心ある方は『殺し屋』に始まる殺し屋ケラーものと読み比べてみるのもいいだろう。

 

 ホロヴィッツとブロックで人気が二分。各人が口にするとおり、良作が目白押しだった9月ですが、意外な結果となりました。これから年末に向けてどのような作品が出てきますことか。次回もお楽しみに。(杉)

 

書評七福神の今月の一冊・バックナンバー一覧