今月もこんにちは! そごう美術館で〈手塚治虫 ブラック・ジャック展〉を観てきました。生原稿の迫力と美しさにうっとり。そういえば馬伯庸『西遊記事変』(齊藤正高訳/ハヤカワミステリ)も手塚治虫バージョンに脳内変換して楽しく読みました。『西遊記』が三蔵法師が孫悟空と沙悟浄と猪八戒をお供に天竺までお経を取りにいく冒険物語だと知っているだけで大丈夫。丁寧なふりがなもすごく助かりました。ありがとう早川書房!
*今月の二度読み本*
S・J・ショート『私があなたを殺すとき』(片桐恵理子訳/ハーパーBOOKS)
*今月の歴史本*
W・C・ライアン『真冬の訪問者』(土屋晃訳/新潮文庫)
*今月のパスティーシュ本*
クローディア・グレイ『『高慢と偏見』殺人事件』(不二淑子訳/ハヤカワミステリ)
*今月のイチオシ本*
ハーラン・コーベン『捜索者の血』(田口俊樹訳/小学館文庫)
*今月の番外編本*
作・フローレンス・パリー・ハイド、絵・エドワード・ゴーリー『ツリーホーン、どんどん小さくなる』(三辺律子訳/東京創元社)
著者紹介文に「若い読者の好奇心を刺激する作品に生涯を捧げた」とあり、若くないけど好奇心はめちゃくちゃ刺激されたよ!と激しくうなずきました(笑)。ややもするとホラーにもなる設定ですが、果てしなく緻密なのにとぼけた抜け感のあるゴーリーのイラストがたまらない魅力の不思議物語になっています。三部作が続けて刊行されるとのことで、次作がめちゃくちゃ楽しみです!!
*今月の新作映画*
『Flow』(3/14(金)公開)

ラトビア映画です。人間は出てきません。セリフは動物の鳴き声のみなので、字幕もありません。主人公にもどのキャラクターにも名前はありません。どこの国か、どの時代かも説明はありません。以上!





……で済ませたい、というか何も情報を入れないで観てほしい!!! 観た人によって解釈がいろいろ違うかもしれませんが、そうやって考えることが大事な作品だと思います。自分の感想を一つだけあげるとすると、「動物が擬人化されていないのが良い!」です。どうかエンドクレジットが終わるまで座席を立たないでください。そのシーンをどう解釈するかだけでも人と話し合えるはずです。こっそり言いますが、カピバラ好きな人は観たほうがいいですよ!






【ストーリー】世界が大洪水に包まれ、今にも街が消えようとする中、ある一匹の猫は居場所を後に旅立つ事を決意する。流れて来たボートに乗り合わせた動物たちと、想像を超えた出来事や予期せぬ危機に襲われることに。しかし彼らの中で少しずつ友情が芽生えはじめ、たくましくなっていく。彼らは運命を変える事が出来るのか?そして、この冒険の果てにあるものとは――?
監督:ギンツ・ジルバロディス
2024/ラトビア、フランス、ベルギー/カラー/85分
配給:ファインフィルムズ 映倫:G 文部科学省選定(青年/成人/家庭向き)
原題:Flow
後援:駐日ラトビア共和国大使館
©Dream Well Studio, Sacrebleu Productions & Take Five.
◆HP:flow-movie.com
◆X(Twitter): 映画『Flow』公式 2025年3月14日公開
◆Instagram: 映画配給会社ファインフィルムズ
■3/14(金)公開『Flow』特報■
| ♪akira |
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翻訳ミステリー・映画ライター。月刊誌「本の雑誌」の連載コラム〈本、ときどき映画〉を担当。2021年はアレックス・ノース『囁き男』(菅原美保訳/小学館文庫)、ジャナ・デリオン『ハートに火をつけないで』(島村浩子訳/創元推理文庫)の解説を書きましたTwitterアカウントは @suttokobucho 。 |
