世に挫折本ランキングというものがあるならば、恐らく、1点のみならず何点か上位にくい込んでくるのではないかと思われるフォークナー。読まなきゃなー読んでみたいなーと思いながらも漏れ聞く噂によるとどうやら読みにくそう……と二の足を踏む方、読み始めたものの何度アタックしても最後までは到達せず……という方も多いのではないでしょうか。 次回の多摩南読書会は、果敢にもそのフォークナーの『八月の光』に挑みます。
『八月の光』は長らく定番であった加島祥造訳、2年ほど前に新しく出た諏訪部浩一訳がありますが、今回は、このほど光文社古典新訳文庫から出た黒原敏行訳で読みます。
この黒原訳の特徴はまずなんと言っても、注が大変親切であること。注の付け方がごちゃごちゃしていると、ええい面倒なと飛ばして読んだりしてますます迷宮に入り込んでしまうわけですが、こちらはちゃんと読む気になる親切な注で、注を読んでやっとははあそうなのね、と明かりが見えてくる思いがします。
禁酒法時代の南部。妊娠しているリーナが、お腹の子の父であるバーチを追ってアラバマからミシシッピまで歩いてやって来るところから話は始まります。しかし、読み易い訳とはいえ、物語としてはやはり手強い。なんというか、真っ直ぐに流れていかない感じなのです。物語の時間が過去なのか今なのかとか、この台詞は実際に口に出して言っているのか心の中で言っているだけなのかとか、この比喩は何を差しているんだろうとか、あちこちから靄が立ちこめています。だいたい登場人物の1人の名前からして ”クリスマス” なんて、意味ありげ過ぎです。 あらすじや登場人物についてネットで調べたり裏表紙の紹介を読んでみても、靄はますます濃くなるばかり。
こういう作品こそ、ほかの人はどう読んだのか聞いてみるのが得策ではないでしょうか。しかも当日は訳者の黒原さんもご参加の予定です。こんなチャンスはそうそうありませんよ。
読書会まで、時間はまだひと月以上あります。間にはお盆休みもあります。今から『八月の光』を手に取れば、ギラギラの八月の光の下で『八月の光』を読めるという、これ以上ないナイスなシチュエーション。この機会に是非挑んでみませんか。
日 時 2018年9月2日(日)14~16時(会場受付は13時45分から)
場 所 JR/小田急町田駅近くの会議室
(詳細はお申込の方に別途メールにてご案内いたします)
課題書 『八月の光』ウィリアム・フォークナー著、黒原敏行訳、
光文社古典新訳文庫
定 員 20名(初参加者優先枠あり)
参加費 一般1,000円 U-22(18~22)500円 高校生以下 無料
※飲み物などはつきません。会場に飲料の自販機あり。
※読書会後の二次会は特にご用意しておりません。
本会に全力参加でお願いいたします。
お申込方法
7月21日(土)20時から申込を受け付けます。
多摩南読書会専用アドレス tamaminamidokusho@yahoo.co.jp にメール
(件名:「多摩南読書会9/2」)でお申込ください。
……………お申し込みフォーム……………
「多摩南読書会9/2」に参加します。
お名前(ご本名フルネーム)
ご連絡先電話番号
ご連絡先メールアドレス
種別1 : 一般 / U-22 /高校生以下
種別2:リピーター/初参加
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- 種別は該当するほうを残してください。
- 課題書は各自ご用意の上、必ず当日までに読了してご参加ください。
- 先着順で受け付け、定員に達した段階で締め切ります。以降はキャンセル待ちを受け付けます。
- 多摩南読書会に初めて参加される方がお申し込みしやすいよう4人分の「初参加者優先枠」を設けます。8月25日(土)までに「初参加者優先枠」が埋まらない場合は、キャンセル待ちをされているリピーターの方にご案内をいたします。
*多摩南読書会世話人*
片山奈緒美(ツイッターアカウント @naolynne)
青柳恭子(ツィッターアカウント @beth999ak)
大戸敦子(ツィッターアカウント @rolling_avocado)