※おかげさまで満席となりました。キャンセル待ちをご希望のかたは下記の名古屋読書会専用アカウントまでご連絡をお願いいたします。(7月7日追記)

 それは忘れもしない2016年1月のこと。
 翌月に控えた第16回名古屋読書会への参加希望メールの中に見つけたその名前に、読書会スタッフは騒然となった。

「柿沼瑛子……だと?」

「え、あの? ハイスミス訳した柿沼先生?」「ダン・シモンズ訳した柿沼先生?」「アン・ライス訳した柿沼先生?」「あたしのバイブルとも言える『女性探偵たちの履歴書』(大津波悦子共著・同文書院インターナショナル)を書いた柿沼先生?」「嘘でしょ、なんでそんな大御所が」「ゲストでお声がけしたわけじゃないのに?」「まさか普通に一般参加の申し込み……だと?」「今からでもゲスト扱いに!」「ダメです、あくまで一般参加ということで固辞されました!」

 柿沼降臨の報は即座にサイトの告知文にも掲載され、参加者は期待と畏れに胸震わせて当日を待ったのである。そして来名された柿沼さんは大御所ぶったところなどまったくなく、とてもフレンドリーなお姉さんで、しかも登山が趣味・ジャニーズ好き・ゲイ文学に造詣が深いといったスペックは名古屋読書会の登山部・ジャニヲタ・腐女子たちを狂喜させるに至った。それから3年。ありがたいことに柿沼さんはすっかり常連となって下さったのだが、ある日、スタッフの一人が、ふと我に返ったのだ。

「なあ、これって翻訳ミステリー読書会だよな? なのになんで俺たち、あの柿沼瑛子と『山用の靴はどれがいいか』とか『KinKi Kidsのライブのセトリは』とか『この場合、受けはどっちだと思います?』なんて話してんの? 違わね? もっと聞かせてもらうべきことがあるんじゃね? てかこれ〈柿沼瑛子の無駄遣い〉じゃね?」

 それに気づくのに3年かかったか!

 ということで、満を持して柿沼瑛子スペシャルだ。柿沼さんの訳書から課題図書を選定するにあたり、入手可能であること、今が旬のモチーフであること、そしてこれまで名古屋読書会で扱ったことのなかったジャンルであることという点から選んだのは、ローズ・ピアシー『わが愛しのホームズ』だ!

 数あるホームズ・パスティーシュの中でもこれは異色。ワトソンがホームズを愛している、という設定なのだ。だがただBL設定にしただけのものではない。前半は『四つの署名』に登場する〈語られざる事件〉のひとつが、そして後半は「最後の事件」が下敷きになっており、当時のイギリス社会のありようがテーマに重く関わってくるという側面もある。報われぬ愛に萌えるもよし、原典と突き合わせるもよし、社会学から攻めるもよし。もちろん「正直BLって楽しみ方がよくわからないんだけど」という人も、いや、むしろそういう人こそ大歓迎。全方位からググっと深く鑑賞しようではないか。もちろん柿沼さんも正真正銘のゲストとして参加だぞ。

 受付は只今この時よりスタートだ。申し込み方法がわからない? 以下を読みたまえ、初歩だよワトソン君。

詳 細
日時:7月27日(土)14:00〜17:00
   終了後に二次会を予定しています。
   20時前には終了するので遠方からの日帰り参加も可能です。
場所:名古屋駅近くの会議室
課題図書:ローズ・ピアシー『わが愛しのホームズ』
    (モノクローム・ロマンス文庫・電子あり)
定員:40名
参加費:大人1000円・未成年500円
   (領収書が必要な方は受付でお申し出下さい)

申し込み方法:
名古屋読書会専用アカウント nagomys@gmail.com にメールでお申し込み下さい。件名に【読書会7/27】、メール本文にお名前とご連絡先電話番号、二次会の参加・不参加を必ずお書き下さい。

◎課題作品は各自ご用意の上、当日までにお読み下さい。
◎ご不明な点は上記の nagomys@gmail.com までお問い合わせ下さい。