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ご覧下さい、文字の隣の英国紳士♪

お店の方は言葉の意味がわからず、ネットで検索。あらかじめ読書会と伝えてあったことと、全員が同じ本を持っているのを見て「これだ!」と確信し、イメージを膨らませて描いて下さったものです。

私たちの興奮ぶりが想像できるでしょうか?それまでの話はどこへやら、しばし大撮影大会となりました。

ちょっと真面目な話もありました。

いわゆる「神経質な人は自主規制する微妙な語句」の使用について。

森村さんご自身の考え方や出版社のスタンスなど教えていただけたのは非常に有意義でした。

やはり読書好きの統一見解としては「行き過ぎた規制は無意味である」というところでしょうか。こういう話題は一度きりではなく、今後も継続してみんなで考えていきたいなぁと思うところです。

さてさて、スペシャルゲストの森村さんについて。(ゲストと言いながら参加料金徴収したのですが・・・)

森村さんは全身からウッドハウス愛が溢れ出ているような方で、ウッドハウス自身のこと、出版にまつわること、本国でのジーヴス人気、ウッドハウス大会の様子、DVDの製作作業など実に内容の濃いお話しをたくさんして下さいました。特に、ウッドハウスの生涯で痛恨ともいえる出来事について話す時、ちょっと涙ぐまれていた姿が印象的でした。

ついでに言うと、英国紳士が描かれたプレートが空になって下げられた時の残念そうな顔も、ポツリと「舐めたかった・・・」と呟いたことも忘れられません。

個人的には、作中の印象的な比喩が、実は当時のCMのキャッチコピーのようなもので今では本国の人でも理解できる人は少ないでしょうなどという豆知識を授かってとても嬉しかったです。

他にも「作中の比喩は実際にもよく使われるんですか?」とか「シリーズはどの順番で読んだらいいんでしょう?」等など、ずいぶん質問をさせていただきました。

アンケートで集めた「森村さんに聞いてみたいこと」はたくさんありすぎて、限られた時間で全てにお応えいただくことはできませんでしたが、森村さんのお話しの内容やお人柄から推して知ることができようというものです。

ジーヴスやバーティーの生みの親がウッドハウスなら、日本の読者にとって森村さんはまさしく育ての親。ウッドハウスの魅力を私達に届けてくれた森村さんに深く感謝いたします。

あっという間に予定の2時間が過ぎ、ウッドハウスとドーナツで心もほんわか温まった我々を待ちうけていたのはプチ吹雪・・・・。

(森村)「すごい雪!どうしよう、傘を持ってきていません!」

(地元民)「傘は要りません」

(森村)「え?でも傘さしてる人がいますよ!」

(地元民)「多分それは道民ではありません」

と、いきなり内地の人に対してスパルタモードになった北海道民。そう、お楽しみはこれからなのです。吹雪の向こうに輝いているもの、それは・・・すすきののネ・オ・ン♪

そうして我々一行は上も下も全部真っ白な世界を雪中行軍して2次会会場に向かったのでした。めでたし、めでたし(どこが?)

最後にひとつ。

tkr2000さんに教えていただいたことですが、もしお手元に『比類なきジーヴス』がおありなら、その奥付を見てみて下さい。森村さんと国書刊行会さんのウッドハウスに対する“比類なき”敬意を感じることができると思います。このレポートをご覧の方が一人でも多く、ウッドハウスの扉を叩かれることを祈って・・・・。

(参考:ホンヤクモンスキーのユーウツ)

 http://tkr2000.cocolog-nifty.com/honyakmonsky/2013/02/3-4716-2.html

札幌読書会世話人 畠山志津佳

【札幌読書会からお知らせ】

●次回の読書会は5/18(土)

課題本は『推定無罪』です。主人公ラスティ・サビッチは有罪?無罪?札幌読書会小法廷にて大議論!

●夏のプチ会は7/27(土)

題して『乱歩夜話』。乱歩の命日の前夜祭です。特に課題は決めません。ひたすら「私の乱歩」について語り合いましょう。

●札幌以外の道内各地で読書会を!

私たちの名前が“北海道読書会”ではなく“札幌読書会”としているのは、ぜひ他の地域でも読書会を開いてもらいたいとの願いがあるからなんです。人数が少なくてもかまいません。札幌読書会のメンバーも応援という名の乱入で盛り上げたいと思っています。

上記お知らせについてのお問い合わせは、sapporo.readingparty@gmail.com(札幌読書会世話人:畠山)までお気軽にどうぞ。

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