去る2015年12月、読書会のディスカッション後に課題本決定戦が行われました。
テーマは「古典」。「古典」の定義は推薦人の自由な判断、というわけで多種多様な11作品がエントリーされました。
『赤い館の秘密』『アクロイド殺し』『オペラ座の怪人』『黄色い部屋の謎』『月長石』『さむけ』『ねじの回転』『バスカヴィル家の犬』『緋色の研究』『幻の女』『郵便配達は二度ベルを鳴らす』
エントリー作品が多種多様なら推薦人のプレゼンも多種多様。そして熱戦を勝ち抜き、3月の読書会の課題本に選ばれたのは、札幌読書会が誇る秘密兵器、人間検索エンジン/グーグル兄貴の異名を持つA氏がプレゼンした『さむけ』。
「ハメット、チャンドラーと並ぶハードボイルド御三家の一人、ロス・マクドナルドは、他の作家に与えた影響も大きく、ハードボイルドを語る上で絶対に外せない重要な作家です。しかし中にはハードボイルドが苦手、という人もいるかもしれません……
安心してください。はいってますよ、他の要素も。
ロス・マクドナルドは、それまで純文学しか扱わなかったニューヨーク・タイムズ紙の書評欄のセンターページに作品を取り上げられたほどの作家、ハードボイルドのみならず純文学作家としても認められています。しかし中には謎解きや、どんでん返しのある作品を読みたいという人もいるかもしれません……
安心してください。はいってますよ、ミステリの要素も。
ミステリ評論家、瀬戸川猛資によれば、ロス・マクドナルドは謎解きにこだわっている作家であり、『さむけ』は非常に優れた本格ミステリであるとのこと。彼に影響を受けた日本の本格ミステリ作家も少なくありません。しかし現在読めるマクドナルド作品は『さむけ』と『ウィチャリー家の女』のみ。もっと読んでみたいという人もいるかもしれません……
安心してください。はいってますよ、刊行予定が。
初期の代表作『象牙色の嘲笑』の改訳版がまもなく刊行される予定です。さらに『ブラック・マネー』がコーエン兄弟の手で映画化される予定だと報じられました。〈ロス・マク〉ブームがやってくるかもしれません……」
実際はもっと長いものでしたが、要約だけでもどうです、この情報量! 誰もが結果に納得のプレゼンでした。
ハードボイルドの名作でありながら、純文学の香りと謎解きの醍醐味を兼ね備えた一作。
春まだ遠い北の地でともに語り合いましょう。
しかし、人前で話をするのはちょっと苦手、という人もいるかもしれません……
安心してください。他の参加者の話を聞くだけの「ほほえみうなずき隊」も歓迎ですよ。
申込方法は下記の通りです。たくさんのご参加をお待ちしております!
【日時】3月12日(土)15:00-17:30(予定)
【場所】ご参加の方に別途ご案内いたします(札幌駅北口近辺です)
【課題図書】『さむけ』 ロス・マクドナルド著 小笠原豊樹訳(ハヤカワ・ミステリ文庫)
【参加条件】課題本を読了していることのみ
【参加費】500円
【定員】30名程度
【二次会】別会費にて行います。
【お申込み方法】
札幌読書会専用アカウント sapporo.readingparty@gmail.com にメールでお申し込み下さい。
件名を「札幌読書会 3/12」とし、メール本文に下記3点をお書き下さい。
・お名前(ハンドルネーム不可)
・ご連絡先電話番号
・二次会への参加/不参加 ※後日の回答も可
【お問い合わせ】
その他ご不明な点があれば sapporo.readingparty@gmail.com までお気軽にお問い合わせ下さい。