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シンジケート授賞式&コンベンションin TOKYO
越前「翻訳ミステリー大賞シンジケートって名前のせいで『なにそれ、関わったら消されるんじゃ?』って思う人がたまにいるらしいですが、けしてそんなコワいところではありません。読者のみなさんに翻訳ミステリーを楽しんでいただこうと、例年東京でコンベンションを開催しています。今回の大賞と読者賞が発表された4月19日の様子を、写真ダイジェストでどうぞ」
会場の鳳明館森川別館。東京の中心部にこんな昔ながらの旅館があるんですね。
参加した中谷さんと浦野さんの感想は……
「緊張の初参加でしたが、コンベンションや授賞式という名前から想像する硬い感じはまったくなくて、とにかくアットホームな雰囲気。すごい翻訳家の先生方が率先してザブトン運びに走りまわってらっしゃる姿に、うわーっ!と感激しちゃいました」
「いろんな裏話が聞けたりも楽しくて。一般参加の方々がみずから盛り上げつつ盛り上がってらっしゃるのが、とても印象的でした」
サイトを読んでる人にはおなじみ書評七福神さまのうち、四福神さまのご尊顔拝見。右から布袋さんに大黒さん……失礼しました、杉江さん、北上さん、川出さん、酒井さんですね。そして弁天さんのようにお美しい特別ゲストのマライさん。どちらのトークも生で聴きたかった!
大賞選出の風景。
「1票ごとにポーの顔が貼られて……」(会場→笑)
「10票に到達するとデカイ顔になります」(会場→大笑)
以前に見た動画でも、ここで笑いが起こっていたような。
毎年顔だけで笑いをとってしまうエドガー・アラン・ポーはやっぱり偉大。
栄えある大賞を授与された『11/22/63』訳者の白石さんと、文藝春秋の永嶋さん。
「見てのとおり、双子の兄弟であるお二人が……」
をを、そうだったのか。
つづいて読者賞の発表風景。
第1位『三秒間の死角』54.2ポイント
第2位『ゴーン・ガール』47.3ポイント
ちょ、小数点て!
5点の持ち点を3作品までに振り分けるという今年のシステムを見て、「整数で振り分けろとは書いてないし」と自由な解釈をした人がいたわけですね。大阪ではそのような人のことを、称賛をこめてイチビリ!と呼びます。
名古屋読書会の加藤さんが作られたという手筒花火トロフィーには、大阪のイベント会場も「おおおおおっ!」と湧きたちました。受け取られたのは訳者ヘレンハルメさんの代理の方と、編集者の染田屋さんですね。お土産本ゲットのじゃんけんシーンや、全国読書会メンバー紹介の様子も見せていただきました。うん、楽しそーだ。
そして熾烈な闘いが繰り広げられたという出版社対抗ビブリオバトル。スクリーンの写真からも熱い汗が飛び散ってくるかのようでした。
優勝をさらったのは、文藝春秋『ゴーストマン』ロジャー・ホッブス著/田口俊樹訳/8月刊。
「さっき一緒に翻訳ミステリー大賞を受賞した双子の兄が、今度 は弟に賞状を授与することに」
やはり双子は事実らしいです。
さらに企画部屋のご紹介。部屋の名前はやや端折られ気味。
『腐女子部屋』
を、男子も参加してますね。カップリング要員か?
『全国読書会部屋』
北は北海道、南は九州まで、読書会ばんざい!
『ミステリ女王対決部屋』
オコンネルVSウォルターズ、軍配はどちらに?
『お料理部屋』
本読まずに、ただ食べるだけもアリなんですって!
『ハードボイルドと紫煙の部屋』
「要はここ、田口さんの喫煙部屋だから、はい次」
うわっ(笑)
ラスト1枚は宿泊組の翌朝記念写真。お疲れさまでした。
「これだけ楽しめて、泊りじゃなければ参加費4000円。安いですよ!」と、最後はお財布への優しさアピールでまとめてくださった越前さん。さすが、だてに長いこと大阪に通っているわけじゃありませんね。
(後編その2につづく。掲載はきょうの夕方になります)
◇飯干京子(いいぼし きょうこ) 大阪在住。関西読書会世話人メンバーの1人。英語学校でTOEICや英文法の講師やってます。好きなもの牛乳。でも身長150cm。過去の訳書にグレッグ・ルッカ『逸脱者』『哀国者』『回帰者』、リンダ・フェアスタイン『焦熱』など |